2013年07月31日

歯だけ見ててもわかることは限られます。

たとえば、2〜3分ほど会話を交わせば、
その人が普段、どう噛む癖があるのかの見当はつきます。

しかし、診断となると、
歯を見たり、レントゲンを見たり、
筋肉の硬直状態や身体の動かし方を見たり、
様々な方面から把握する必要があります。

正しく把握できれば、どうすれば治せるか、がわかります。

特に、顎関節症やドライマウスの診断には必須項目です。
歯石の付き方や、ステイン(着色)の付き方も、
その診断にとって必要な情報です。
(あまりそういう診断までされる人はいないでしょうけど、
私の場合、歯石を取る治療をすることで、
その人の噛み方の診断をしているんです)

治療行為をすることで、その人の状態が更にわかる。

ところが、先日、警察から相談されたモノは・・・
白骨の歯型写真のみ。

身元の特定をしたいので、
何かこの写真からわかることはないですか?
というもの。

・・・う〜ん?
一般的な特徴は話せるけど、
歯だけしか映ってないんじゃ・・・なんとも。

顎関節も、頸椎や背骨も写ってない。
噛み合わせも写ってない。
白骨じゃぁ、筋肉だってわからない。

現物を見せて触れるならば、もう少しは語れるけれども、
写真だけじゃぁ。

治療跡や歯のすり減りだけで判断出来ることって、

こういう特徴はみられるけれど、
その原因になりうる可能性は、
こういう場合と、こういう場合と、こういう場合があって・・・

多くを知り過ぎていると、
断定するにはこの情報が足りない!
ということに気づいてしまうため、
お役には立てません。

他府県から捜査に来られているとの事だったので、
お役にたてれば良かったんですけど・・・

生きている人間には詳しいんですけどね。

唯一、役に立てたかなぁ、というアドバイスは、
型とって模型にして持ってきてもらうとか、
顎関節や頸椎などの骨格写真も持ってきてもらうとか、
そういった情報がないと、それなりの判断はできないよ
ということぐらいでしょうか。

歯型写真だけで出来ることは、白骨と残存カルテの照合で
本人と断定できるかどうか、ということぐらいでしょう。

毎年のように白骨死体が発見されている昨今。
こういう相談は増えてくるのかもしれません。
何か警察と連携して協力できる体制を整えることも
必要かもしれませんね。


日本の自殺者は年間3万人超、
他殺者では年間450人弱、
火災死者年間1740人弱、
交通事故死30日以内年間6000人程度。

2009年では、1年で114万人もの方が亡くなられています。
(自然死や死産、病死、事故死、自殺なども含む)
これは、1日3134人、
1分間に2人亡くなっている、という計算です。

1989年〜2007年間の日本の失踪者白書では、
捜査受理されたものでは、171万8600人とのこと。
類別は、
(1)拉致
(2)他殺
(3)蒸発
(4)家出
(5)自殺
(6)何らかの事件での巻添え他。
年間にすると、1年で9万人が失踪している。
一日に換算しますと、毎日246人失踪していることになります。

死者と失踪人を合わせると、年間120万人越え。
日本総人口を1億人で考えれば、
毎年84人に1人はいないわけです。

幼稚園〜大学までの同級生のうち、
数人は毎年いなくなっているかもしれない。
実際、私の場合は高校時代に同級生が病死しています。
他の友達も無事でしょうか?

自分の命も他人の命も、大切にしましょう。



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2013年03月25日

震災…あなたであることがわかるために歯科は…

7週ぶりの完全オフ。
勉強会半分・遊び予定が半分で、
ゆっくり休もう・・・という日がまったくなかった。
まぁ、ウチのスタッフに言わせると、
「遊びは忙しいに含まないの!」
というご指摘が・・・ごもっともで。

この間の「 春分の日 」だって
朝9時から「あっぷるいーと」の
建物(マンション)全体の消防点検。

そのまま、治療が忙しく作る間が作れず、
溜まりまくった技工物(銀歯や白い歯や入れ歯など)を
ずーっと作って1日が終わった。
さすがに朝から技工詰めは疲れる。
PM3時頃には、誰かと話したくて、
行きつけのお店に乗り込み、ランチ。
30分くらいの休憩つもりで行ったけど、
親しい常連客とも会い1時間以上おしゃべり。
リフレッシュにはなったけど、
結局、仕事はおす・おす。
AM0時を過ぎて、もう嫌になって帰宅。
14時間くらいって集中力も限界に近い。
まぁ、一通り終わったからいいけど、
祝日に何やってんだろ?
・・・と思うようじゃ辛くなっちゃうので、
限界の一歩手前で切り上げるのも仕事のコツです。

せっかく久々のオフ。
昼まで寝るから、気にしないでね。
と、前日に親に伝えておきながら、
目覚ましを切るのを忘れて、
結局は平日と同じ時間に起床。

せっかくだから映画でも・・・
この前から気になっていた日本映画。
東日本大震災の現場に触れた「遺体」。

・・・めちゃくちゃ上映時間が・・・!
上映してるトコ少なっ!
朝の9時から1回限りとかしかない!
唯一の近場&数回上映している所が、有楽町って!
当日予定で見に行こうという意欲が削がれるわ。

結局、ダラダラして、
本屋と100円ショップとファーストフードで一休み、
テレビ見て、ビデオ見て、ドラム叩いて、
まったりして終わる。
こういうのを、の〜んびり過ごした休日、
と呼んでいいのか?
まぁ、何もしない有意義な1日なんでしょう。

10年ほど前なら、3カ月休みなしで、
仕事と勉強会と技工に没頭してても
たいして疲れなかったのに、
その半分で休みを欲するのだから
衰えですなぁ。


実は、遺体を見たかったのには訳があるんです。
春分の日の翌日・・・震災における
遺体確認の照合法を勉強してきたんです。

この映画では、柳葉敏郎さんが演じてます。
この映画の話も触れるかなぁ?
って思ったんですけど、お堅い勉強会なんで。

4つの大学の法医歯科学の教授や準教授、講師
などが来て、実習を交えてレクチャー。
御遺体の写真から歯式(歯の状態)を読み解き、
生前のカルテやレントゲンから現在の状況を読み解き、
照らし合わせていく。

・・・なるほどぉ!というテクニックがあるんです。
知らなきゃ、現場じゃモタついて役に立たない。

映画を見れてないのですが、実際はダブルチェック。
2人の歯科医師がそれぞれ判別して、
間違いがないように確認しあっていく。
デンタルという小さなレントゲンも取る。
どんなに根をつめても、
1日じゃそんなに多くの数は見れない。

東日本大震災で活躍された先生方の現場写真は、
以前に見ていたのですが、
こうやって実習を受けるのは初。

実際の現場を想像するだけでも、
「ご家族のもとに帰してあげたい」
という思いがなきゃ、どうにも勤まらない。

震災という大きな涙の後には、
その涙を噛みしめて乗り越えていかなきゃならない
大きなものが、いたるところにある。

ボランティアなんて言葉に集約されてしまう
ことでしょうが、その言葉に含まれている現実は
どんだけ痛いんでしょうね。

そうそう、
ぜひとも多くの一般人に伝えたいことがあります。

震災直後の放射能汚染騒動で、
レントゲンすら撮影拒否する人が増えたことがあります。
アナログであろうと、歯科のレントゲンは低被曝。
デジタルであれば、妊婦さんに使ったって無害。
そんだけの人体影響のないものでありながら、
そこから得られる情報は治療には欠かせないものです。
単なる病気の有無に限らず、
ちゃんと読み解く力のある歯科医師が見れば、
その原因や、今後の悪化予測までわかる。
歯だけじゃなく、カラダのどこに影響が出てくるかも
わかることも多い。

でも、今回の講習会で特に感じたことは、
「 生前のレントゲン写真 」があること
が、どれだけ御遺体の照合に必須か!
ということです。

あばら骨や手足の骨に比べ、
「 歯 」ほど千差万別なものはない。
それ故に個人識別ができるんです。

あなたは、
歯の全体が写っているレントゲンを
撮ったことがあるでしょうか?

出来るだけ、最新のものが医療機関に残っている
ことが、震災などの大災害で、御不幸に会われた方々の
帰宅する可能性を上げるんです。

辛い話ではあるんですが、
たった2年前に起こった現実。
同じ日本で起こった事実なんです。

地震大国日本。
震災準備で、
避難袋などのご用意をしている人は多いでしょう。
そのもう一歩先には、
歯の検査データ(視診やレントゲン)も
大切な「あなたであることがわかる情報源」に
なっているんです。
・・・そうならなくて良い日々が
      継続されることを願って・・・



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posted by あっぷるいーと いんちょう at 02:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯の雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月07日

ルビー&サファイアと歯の関係

12月に入ると
よりいっそうクリスマスモード。
プレゼント選びに躍起になっている人も見かけます。

彼女にリングをあげる人もいるのかなぁ?
クリスマスのロマンティックムードで
プロポーズを考えている人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、人気の高い宝石から、
ルビー&サファイアのお話にしてみましょう。

有名な話だとは思うのですが、
赤い宝石の代表として名高いルビーと、
青い宝石の代表として名高いサファイアは、
成分的に、同じ石なんです。

コランダム(鋼玉)は、酸化アルミニウムからなる結晶。
無色透明なコランダムに、
どんな不純物が、どんな量で混ざるのか、
それだけで、宝石としての価値が変わります。


サファイアは、コランダムに、
鉄とチタンが混入することで青くなる。

産地の違いで青色の濃淡が異なり、
コーンフラワーブルー(カシミール産)
ロイヤルブルー(ミャンマー産)
カワセミブルー(スリランカ産)
インクブルー(オーストラリア産)
などと呼ばれグレードも異なる。

鉄だけ混入すると黄色いイエローサファイア。
チタンだけ混入すると無色のカラーレス(ホワイト)サファイア。
ルチルという二酸化チタンからなる鉱物も混入すると
光が3本線に反射するスターサファイアになる。

クロムが1%混入したものだけがルビーと呼べる。
クロムが0.1%しか混入されていなければピンクサファイア。
5%を越えるとエメリーという工業用研磨剤になるそう。


同じコランダムを主成分とする石。
生まれ落ちた環境によって含まれてくる不純物が変わり、
石そのものの価値や尊さ、輝きや精悍さも、全くの別物となる。

ほんのちょっとしたこと。
それは産まれた環境であり、
育ってきた時代の影響なのかもしれない。

人間のDNAも99%は世界中みな同じ。
ちょっとしたことで、白人にも黒人にも黄色人種にもなる。

好きな人も、嫌いな人も、無関心でいられるような赤の他人も、
原材料的な観点で見れば、ほぼ同一の存在。

個体そのものの大きさや、磨きの巧み、たどったルート。
原石で産まれ落ちて以降も、
その後の営みによって、
市場価値が変わるのも、人とよく似ている。

自分が自分でいるのも、相手が相手でいるのも、
ほんのちょっとした奇跡が生み出した結果。
もちろん巡り会いですら奇跡の産物のようなもんでしょう。

ぜひ、宝石をプレゼントする相手を目の前にしたら、
愛だけでなく、その奇跡にも思いを巡らし、
末永くお幸せにいられますように。


ちなみにコランダムは、現在、容易に人造できるようになったので、
様々な機械の部品や研磨材、耐火物原料などに使われているのだとか。

コランダムのオオモトである酸化アルミニウムは、
通称アルミナとも言われています。

これは、歯科治療にも大きく貢献してくれているんです。
たとえば、
保険で作るインレーやクラウンといった
銀歯や差し歯といわれる材料の一部だったり、
知覚過敏などの治療に用いる
薬液や歯磨き粉の中にも含まれているものもあるんです。

(ちなみに間違いがないように付け足しますが、
保険で作る銀歯の主成分は60%前後が銀。
12%程度が金。
他にパラジウムやアルミナなどが含まれているといった程度ですので、
数%程度の成分でしかありません・・・あしからず。
製造メーカーによって含有率は微妙に異なります。)

一時期、ネイルアートのように、
歯もデコレーションしたがる人もいました。
小さなルビーを歯に埋め込む人もいたんですが、
ある意味、インレーを入れるようなものだなぁ、と、
納得したりもしたもんです。


・・・彼女にルビーやサファイアを贈るとき、
夢心地のまま勢いに任せるのは、アリだと思います。
でも、
そのプレッシャーに負けて、笑いに持っていこうと、
「君の銀歯と同じものだよ」
と言っちゃダメですよ。
せっかくの雰囲気が台無しですから!



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posted by あっぷるいーと いんちょう at 02:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯の雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする