2014年11月24日

テレビ&雑誌の特集って1側面だから気をつけよう

最近は歯科関連のTV放送が増えていますね。
歯周病やらドライマウスやら往診やら。
様々な裏事情を知っていると、
アホらしく思えることもありますが。

歯科業界としての、
正しいことと、
その程度だけしか理解されていないことと、
歯科業界に進出してきたその他の業界の見せたいこと、
などが中心として描かれているなぁ・・・。
弱点には触れもせず。

まぁ、私も
全ての番組をチェックしているわけではないので、
各番組の内容を非難することはしませんが、
おかげで、来院されてくる方々に、それらに関して
質問される機会が増えてしまうので、
いくつかは、ここで答えてしまいましょう。
ウチならではの見解と思ってください。

まず、
「徹底的に歯を磨くことが最重要である」
という内容に関して、
これは正しい・・・ただしそれだけではない。

徹底的に磨き上げれば、虫歯や歯周病のリスクは減り、
健全な口内環境を維持しやすくなります。

ただ、見かけ上の健康状態を保っている人もいるんです。
1日3回、
フロスや歯間ブラシも使い、
夜だけは1時間近くかけて磨いている人もいます。
見かけ上は、とても綺麗そう。
でもハグキの中は隠れ炎症があることも。
表面的には綺麗なハグキをしているからと、
ハグキ表面までのコントロールで終わってしまうと、
気付かないまま歯周病が進行していることもあります。

歯周病は細菌だけでなく、噛む圧力が強すぎてもおこる。
噛む圧力は当然ながら、
ハミガキでコントロールできるものではありません。

また、磨き残しによる歯石のつき方でも、
「磨けていない」と指摘するだけでなく、
くいしばり、猫背、どういうふうに噛んでいるか、
などの判断材料となります。
そこからどの歯に圧力過多となっているかがわかる。
(まぁ、多くの専門家は知らないかもしれませんが・・・)

ちなみに骨密度によって、
ハグキの腫れが引き起こす状態も違うんです。
支える骨が溶けるか、歯が削れるか・・・などなど。
ウチのレントゲンは骨密度の判定もできるので、
必要のある方にだけお話していることなんですけど。

だから、磨けることだけじゃ足りないんです。
勿論磨けるほうが良いには越したことないのですが、
それだけに歯科医師サイドが目を奪われてしまえば、
お粗末としかいえません。

虫歯も歯周病も他の口腔内疾患も、
ハミガキとの関連が一番多い。
しかし、それだけで変わるなんて単純だったら、
我々、歯科医師の存在は必要なく、
歯のエステティシャンがいればよいだけ・・・
そんなレベルではないんです、口内環境のコントロールって。


ついで、ドライマウスのことも触れましょう。
お決まりのトレーニングが、
「パ・タ・カ・ラ」発音と、舌の運動。

破裂音で舌を動かし、さらに前後左右に大きく動かす。
・・・舌を動かすことで出てくるツバはネバネバです。

ウチでドライマウスの患者さんの治療をするときは、
サラサラの唾液が出るようにしましょうと言います。

たとえば、貧血や脱水状態、服用薬剤の副作用などで
ドライマウスになっている場合は、
身体の状態が悪いので、唾液が出ない。
そんな人にとっては、比較的出しやすい唾液である、
ネバネバ唾液だけでも出したい状況です。
そういう人に、舌の運動をおすすめすることは有益です。

しかし大多数のドライマウス状態がある人には、
唾液が出るだけの体内環境があります。
しかし、隠れ炎症やくいしばり、噛み合う歯がない、
などの口内環境が悪くて、ツバが出ない状況がほとんど。
そんな人に、
ネバネバ唾液ばかり出させようとすることは間違いです。

ネバネバ唾液過多とは、交感神経興奮状態。
つまり緊張しっぱなしのくいしばり状態ともいえます。

サラサラ唾液過多であれば、副交感神経優位の
リラックス状態にあるともいえます。

口内環境にとって、(体内環境や精神環境にも)
サラサラ唾液が多いほど良い環境といえます。
そして残念ながら、
いくら舌を運動しても、ここにはほぼ無関係。

ツバが出ない状態を、
何でもかんでも同じと考えちゃいかんのですが、
まだ、専門家を名乗る人々も
素人状態みたいなもんな分野ですし、
しょうがないんですけどねぇ。
臨床をちゃんとやればわかることなんですけど。

テレビの影響ってすごくて、
まれに患者さんにドライマウスの話をすると
「じゃぁ舌の運動しなくっちゃ」
と返事されることがあるんです。
・・・いいんですけどね。四六時中やってくれるなら。
ツバは24時間出ていることが理想ですから。
まぁ・・・ウチでお伝えすることは、
載っている本すら探すのは困難なことですし。
伝わる人にしか伝わらないのは自覚していますしね。


最後に歯科往診のことについて簡単に触れましょう。
やっているクリニックに相談されるのもいいですし、
市役所の生活福祉課などに相談されるのもありです。
各地域の歯科医師会に相談されても対応してくれます。
介護福祉士などに相談されるのも可能でしょう。
結構対応可能なクリニックって探せばあるんです。
ただし、それを専門としている所以外は、
昼休みや休診日のみの対応となってしまいますが。

仲介業者・紹介業者ビジネスに頼るのもありですけど、
上前を掻っ攫うようなビジネスですから、
かつて私はその提携の申し出をお断りしました。
患者さんに向き合い何度も通ってケアすることは、
難しいビジネスライクな仕組みになっていましたから。
最近はどうなのかは知りませんが・・・。

往診に携わる場合は、通院困難な人が対象ですが、
本当に難しい人や、終末期医療に差し掛かってしまう方、
そういう方々の治療って、
歯科クリニックだけでどうこうではなく
病院医師やケアマネージャー、栄養士や理学療法士、
様々な連携をとり合うことで支えています。
考え方にもよりますが、プロ同士の真剣な場ですから、
気軽に医療スタッフのような顔をした営業マンに
入ってほしくないんですけど・・・、時代ですね。

その患者さんに必要な治療ができれば、
往診を希望される方にとっては、
どこのクリニックでもよいわけですから。
できるだけ放置しないようにしてください。

寿命と健康寿命という言葉を知っているでしょうか。
病気になり日常生活に支障が出られてから、
お亡くなりになるまで
男女とも平均10年くらいの差があります。
つまり、
10年くらい介護生活になってしまうことが多いということ。
そこには、歯科往診のシステムも必要になってきます。
できるだけ近場の先生や、
かかりつけの先生が対応してくれることが
最も良いでしょうが、まずは相談できる窓口があるので、
必要のあるご家族は、窓口に声をかけましょう。


他にもいろいろ目にしましたが、
書ききれないのでこの3つに絞りました。

出演する医学関係者がどーのこーのというわけではありませんが、
お決まりで出演される某教授が突出した専門家かといえば・・・
研究している専門家ではあるのでしょう。
警鐘を鳴らすための広告塔としては優秀です。

結構あるんです。テレビや雑誌の出演・取材依頼。
でも、ちゃんと話を聞くと、
ウチじゃなくてもいいよね、と言いたくなるものばかり。
ろくすっぽブログも読んでないから、一から話をすることもある。
ホントに時間の無駄な出演交渉って、
何を知ってウチに話を持ってくるんでしょうね?

とあるベスト100選的な本ですら、
載せてあげるから数十万ね、とかって言われます。
その出版社は1冊出せば売れなくても数千万の儲け。
どうやら、矯正やインプラントなど、細かく分野分けして、
何度も美味しい思いをしようとしているようです。
広告として出すならいいけど、
基本的に出版社社員が誰一人受診したことのないクリニックを
何基準かもわからず推薦します、と出版されてもねぇ。
とお断りしたばかり。

あけっぴろげに有名人になりたいわけではないので。

よっぽど真剣に依頼されれば、
いずれは出演することもあるかしら?
まぁ、依然書いた今日依頼、今日取材、明日朝一放送なんて
うすっぺらなものになりそうなものに協力はしませんが。

まぁ、ともかく。
メディアを使って警鐘を鳴らすには
それだけ歯学界でも認知されてきた病気であるということ。
だけれども、テレビなどで言う治療や予防は、
たった1つの側面でしかなく、
1/10すらもモーラされていない内容ですので、
そこで言ったことだけでは足りません。
編集もあるしね。
特集なんて、機械屋さんや学会などが広告したい時にしか
されないのが残念なんですが。
まぁ、テレビも雑誌もスポンサーありきですから。

私の実感ですけど、どんなに経験を積もうと、
こうだろうと予測したことに当てはまらない人は必ずいます。
その患者さんのことを知り、
少しずつ自分の中のデータベースを増やしていくことでしか、
対応できません。
現場はお決まりごとだけでは成り立ちません。

だから、テレビなどで目にした内容は
警鐘として受け止めてもらい、
自身にとって疑わしい症状がある場合には、
そのテレビ&雑誌だけを鵜呑みにせず、
クリニックへ相談されるのがよいでしょう。



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posted by あっぷるいーと いんちょう at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯の雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月31日

歯だけ見ててもわかることは限られます。

たとえば、2〜3分ほど会話を交わせば、
その人が普段、どう噛む癖があるのかの見当はつきます。

しかし、診断となると、
歯を見たり、レントゲンを見たり、
筋肉の硬直状態や身体の動かし方を見たり、
様々な方面から把握する必要があります。

正しく把握できれば、どうすれば治せるか、がわかります。

特に、顎関節症やドライマウスの診断には必須項目です。
歯石の付き方や、ステイン(着色)の付き方も、
その診断にとって必要な情報です。
(あまりそういう診断までされる人はいないでしょうけど、
私の場合、歯石を取る治療をすることで、
その人の噛み方の診断をしているんです)

治療行為をすることで、その人の状態が更にわかる。

ところが、先日、警察から相談されたモノは・・・
白骨の歯型写真のみ。

身元の特定をしたいので、
何かこの写真からわかることはないですか?
というもの。

・・・う〜ん?
一般的な特徴は話せるけど、
歯だけしか映ってないんじゃ・・・なんとも。

顎関節も、頸椎や背骨も写ってない。
噛み合わせも写ってない。
白骨じゃぁ、筋肉だってわからない。

現物を見せて触れるならば、もう少しは語れるけれども、
写真だけじゃぁ。

治療跡や歯のすり減りだけで判断出来ることって、

こういう特徴はみられるけれど、
その原因になりうる可能性は、
こういう場合と、こういう場合と、こういう場合があって・・・

多くを知り過ぎていると、
断定するにはこの情報が足りない!
ということに気づいてしまうため、
お役には立てません。

他府県から捜査に来られているとの事だったので、
お役にたてれば良かったんですけど・・・

生きている人間には詳しいんですけどね。

唯一、役に立てたかなぁ、というアドバイスは、
型とって模型にして持ってきてもらうとか、
顎関節や頸椎などの骨格写真も持ってきてもらうとか、
そういった情報がないと、それなりの判断はできないよ
ということぐらいでしょうか。

歯型写真だけで出来ることは、白骨と残存カルテの照合で
本人と断定できるかどうか、ということぐらいでしょう。

毎年のように白骨死体が発見されている昨今。
こういう相談は増えてくるのかもしれません。
何か警察と連携して協力できる体制を整えることも
必要かもしれませんね。


日本の自殺者は年間3万人超、
他殺者では年間450人弱、
火災死者年間1740人弱、
交通事故死30日以内年間6000人程度。

2009年では、1年で114万人もの方が亡くなられています。
(自然死や死産、病死、事故死、自殺なども含む)
これは、1日3134人、
1分間に2人亡くなっている、という計算です。

1989年〜2007年間の日本の失踪者白書では、
捜査受理されたものでは、171万8600人とのこと。
類別は、
(1)拉致
(2)他殺
(3)蒸発
(4)家出
(5)自殺
(6)何らかの事件での巻添え他。
年間にすると、1年で9万人が失踪している。
一日に換算しますと、毎日246人失踪していることになります。

死者と失踪人を合わせると、年間120万人越え。
日本総人口を1億人で考えれば、
毎年84人に1人はいないわけです。

幼稚園〜大学までの同級生のうち、
数人は毎年いなくなっているかもしれない。
実際、私の場合は高校時代に同級生が病死しています。
他の友達も無事でしょうか?

自分の命も他人の命も、大切にしましょう。



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posted by あっぷるいーと いんちょう at 02:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯の雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月25日

震災…あなたであることがわかるために歯科は…

7週ぶりの完全オフ。
勉強会半分・遊び予定が半分で、
ゆっくり休もう・・・という日がまったくなかった。
まぁ、ウチのスタッフに言わせると、
「遊びは忙しいに含まないの!」
というご指摘が・・・ごもっともで。

この間の「 春分の日 」だって
朝9時から「あっぷるいーと」の
建物(マンション)全体の消防点検。

そのまま、治療が忙しく作る間が作れず、
溜まりまくった技工物(銀歯や白い歯や入れ歯など)を
ずーっと作って1日が終わった。
さすがに朝から技工詰めは疲れる。
PM3時頃には、誰かと話したくて、
行きつけのお店に乗り込み、ランチ。
30分くらいの休憩つもりで行ったけど、
親しい常連客とも会い1時間以上おしゃべり。
リフレッシュにはなったけど、
結局、仕事はおす・おす。
AM0時を過ぎて、もう嫌になって帰宅。
14時間くらいって集中力も限界に近い。
まぁ、一通り終わったからいいけど、
祝日に何やってんだろ?
・・・と思うようじゃ辛くなっちゃうので、
限界の一歩手前で切り上げるのも仕事のコツです。

せっかく久々のオフ。
昼まで寝るから、気にしないでね。
と、前日に親に伝えておきながら、
目覚ましを切るのを忘れて、
結局は平日と同じ時間に起床。

せっかくだから映画でも・・・
この前から気になっていた日本映画。
東日本大震災の現場に触れた「遺体」。

・・・めちゃくちゃ上映時間が・・・!
上映してるトコ少なっ!
朝の9時から1回限りとかしかない!
唯一の近場&数回上映している所が、有楽町って!
当日予定で見に行こうという意欲が削がれるわ。

結局、ダラダラして、
本屋と100円ショップとファーストフードで一休み、
テレビ見て、ビデオ見て、ドラム叩いて、
まったりして終わる。
こういうのを、の〜んびり過ごした休日、
と呼んでいいのか?
まぁ、何もしない有意義な1日なんでしょう。

10年ほど前なら、3カ月休みなしで、
仕事と勉強会と技工に没頭してても
たいして疲れなかったのに、
その半分で休みを欲するのだから
衰えですなぁ。


実は、遺体を見たかったのには訳があるんです。
春分の日の翌日・・・震災における
遺体確認の照合法を勉強してきたんです。

この映画では、柳葉敏郎さんが演じてます。
この映画の話も触れるかなぁ?
って思ったんですけど、お堅い勉強会なんで。

4つの大学の法医歯科学の教授や準教授、講師
などが来て、実習を交えてレクチャー。
御遺体の写真から歯式(歯の状態)を読み解き、
生前のカルテやレントゲンから現在の状況を読み解き、
照らし合わせていく。

・・・なるほどぉ!というテクニックがあるんです。
知らなきゃ、現場じゃモタついて役に立たない。

映画を見れてないのですが、実際はダブルチェック。
2人の歯科医師がそれぞれ判別して、
間違いがないように確認しあっていく。
デンタルという小さなレントゲンも取る。
どんなに根をつめても、
1日じゃそんなに多くの数は見れない。

東日本大震災で活躍された先生方の現場写真は、
以前に見ていたのですが、
こうやって実習を受けるのは初。

実際の現場を想像するだけでも、
「ご家族のもとに帰してあげたい」
という思いがなきゃ、どうにも勤まらない。

震災という大きな涙の後には、
その涙を噛みしめて乗り越えていかなきゃならない
大きなものが、いたるところにある。

ボランティアなんて言葉に集約されてしまう
ことでしょうが、その言葉に含まれている現実は
どんだけ痛いんでしょうね。

そうそう、
ぜひとも多くの一般人に伝えたいことがあります。

震災直後の放射能汚染騒動で、
レントゲンすら撮影拒否する人が増えたことがあります。
アナログであろうと、歯科のレントゲンは低被曝。
デジタルであれば、妊婦さんに使ったって無害。
そんだけの人体影響のないものでありながら、
そこから得られる情報は治療には欠かせないものです。
単なる病気の有無に限らず、
ちゃんと読み解く力のある歯科医師が見れば、
その原因や、今後の悪化予測までわかる。
歯だけじゃなく、カラダのどこに影響が出てくるかも
わかることも多い。

でも、今回の講習会で特に感じたことは、
「 生前のレントゲン写真 」があること
が、どれだけ御遺体の照合に必須か!
ということです。

あばら骨や手足の骨に比べ、
「 歯 」ほど千差万別なものはない。
それ故に個人識別ができるんです。

あなたは、
歯の全体が写っているレントゲンを
撮ったことがあるでしょうか?

出来るだけ、最新のものが医療機関に残っている
ことが、震災などの大災害で、御不幸に会われた方々の
帰宅する可能性を上げるんです。

辛い話ではあるんですが、
たった2年前に起こった現実。
同じ日本で起こった事実なんです。

地震大国日本。
震災準備で、
避難袋などのご用意をしている人は多いでしょう。
そのもう一歩先には、
歯の検査データ(視診やレントゲン)も
大切な「あなたであることがわかる情報源」に
なっているんです。
・・・そうならなくて良い日々が
      継続されることを願って・・・



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posted by あっぷるいーと いんちょう at 02:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯の雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする