2010年11月11日

松尾芭蕉にみる歯周病悪化

松尾芭蕉といえば、

 服部半蔵じゃないかとか、
 公儀隠密ではないかとか、
 伊賀の出ということもあり、いまだに素性ですら楽しめる存在。

なかでも「奥の細道」自体が、各藩の内情を探った暗号となっているのでは?
なんて説も、おもしろい。


かつてのテレビ時代劇で、佐藤浩市さんが芭蕉の影武者・忍者役だったことが思い出される。


ただ、奥の細道の俳句を読んでみると、
歯科医師としてみれば、「一般的なこと」が描かれていることがわかります。


芭蕉46歳の句。
『結びより はや歯にひびく 泉かな』

結びとは、手にすくって水を飲むこと。
泉の冷水をすくって口に入れたら、とたんに歯がしみてしまい、自分も歳をとったなと感じた様子を詠んでいます。

もしこれが虫歯なら、歯の中の神経(歯髄)が生きている状態。
 現代医療であれば、
 虫歯を削って埋めれば治るか、
 歯髄をとらなければならない状態
 のどちらかでしょう。

もしこれが歯周病なら、歯根が見えてきている状態。(知覚過敏に類することもあり。)
 現代医療であるなら、
 歯周病治療や再生手術、知覚過敏処置などをする状態でしょう。

けして老化現象ではないのです。
 診断技術も治療するすべもなかった頃であったからこそ、
 歯の症状を、歳をとったと感じる症状とあつかわれたのでしょう。



芭蕉48歳の句。
『衰えや 歯に食いあてし 海苔の砂』

海苔についている砂を噛んでしまい、歯に痛みを感じ体力が衰えたものだと嘆いています。むし歯や歯周病などで、悩んでいた様子が伺えます。

もしこれが虫歯であったのなら、
 歯の神経(歯髄)が死に、さらに下の骨(歯槽骨)まで膿がたまった状態でしょう。
 現代医療であれば、
 膿をとる治療や手術、抜歯の対象でもあるでしょう。

もしこれが歯周病であるなら、
 かなり歯がグラグラと動いている状態でしょう。
 現代医療であるなら、
 固定できなければ抜歯することになるでしょう。

ひょっとしたら、噛みきることもできなくて、
柔らかいものだけを選んで食べていたのかもしれませんね。
それなのに、ノリに砂が混じっていて・・・「イタッ!」・・・。

芭蕉のノリは、当時の生成技術が悪くても、
いくらなんでも、あさり・しじみ汁に残っている砂よりは少ないでしょう。
その程度でも痛みを感じるのですから、芭蕉の歯は相当悪いはず。



冷たい水がしみて、でも治療するすべもないため放置して、
2年たったら噛むと歯に痛みが出る・・・。

・・・単なる悪化ジャン!



芭蕉49歳の句。
『塩鯛の 歯ぐきも寒し 魚の店』

 冬の魚屋の棚、売られている塩鯛の、歯ぐきがむき出しになっている状態を描写した作品といわれ、ハグキがむき出しになっている状態を「歯ぐきも寒し」と表現している。
ただ、芭蕉自身が、自分の歯周病がずっと気になって、店先の魚のハグキがむき出しになっている事にも目が行ったという説もあり。

ひょっとすると、
 もし虫歯であれば、冷たい風が芭蕉の歯にもしみていた?
 もし歯周病であるなら、冷たい風が芭蕉の歯にもしみていた?
 と読むこともできる。

1〜2本の歯の痛みが、全体にまで広がってきたのではなかろうか?


芭蕉の俳句は美しいと評価する人は多い。

でも誰も、「芭蕉のように病気を放ったらかしてはいけないよ」と言う人はいない。


忍者だなんて騒がれる前に、治療しないとこうなるよ特集でもやってほしいな、TVスタッフ!

きっと笑えるぞ!
・・・・とはいえ、同じ状態になっているTVスタッフは多いとも聞く。
我が事のようで笑えない視聴者もいるのでは?
なんて企画会議でボツになるかも、なネタでしょうか。


このブログを読んでくれた方は、芭蕉のようになる前にちゃんと治療しましょうね。



カラフルあっぷるいーと3.JPG


posted by あっぷるいーと いんちょう at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病・歯肉炎・歯ぐきの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月08日

歯ぐきが腫れたABKのニュースを見て

AKB48 大島優子さん 歯ぐきが腫れて 休養中…。

偶然、そんなニュースを見かけました。
歯科医師としては気になるので、彼女のブログに飛んでみると、
うぁぁ〜かわいそう。
と言いたくなるような腫れが。

虫歯なのか?歯周病なのか?
それともこの2つの混合か?
「親知らず」ってこともある。
他の歯の病気も考えられるし、
かつて診た同じ状態の患者さんは、魚の骨が刺さっていたということもあった。
鼻の病気ということも考えられる。

膿(うみ)がたまっているのか?
血がたまっているのか?
ガスがたまっているのか?
腫れの正体も、いろいろ考えられます。


あまりにも腫れており、
またアイドルでありながら、
そんな姿を写真アップしていた
彼女のサイトに、応援の意を込めて、
人生初のブログコメントを書いてみました。

「腫れているときは、冷やしすぎるともっと腫れることもあるから気をつけてね・・・」

・・・的なことを。


もちろん、炎症が起きているので、冷やす事をオススメします。
しかし、ある程度、炎症が治まったら冷やしすぎに注意です。

冷やしすぎると今度は、組織が固くなります。
炎症も発痛物質が出ているので少しでも楽にさせたいところですが、
組織の修復は血液が行います。

何時間も冷やし続けると修復の妨げになり、
治った時にあまり良い状態ではなく、再発しやすい状態になってしまうことがあります。

冷やすなら、
熱感が軽くなったら一時、冷やすのをやめるとか、
水道水でぬらした程度のタオルで冷やすとか、
適度な温度で行いましょう。

もちろん、身体を温め過ぎてしまうと痛みが強くなるので、
飲酒・入浴は避け、
寝ているときも、温かくなりすぎないように気を配る、
などの対応も大切です。



たまに、歯周病などで歯ぐきが腫れると、つま楊枝などで穴をあけておしまいにする人がいる、と聞きます。
・・・危険です。

膿が出ると一時的に楽になります。
しかし完全に膿が出きるには、ドレナージという手法が必要です。
穴をあけただけでは、『体内に残ってしまう細菌』がいます。
それよりも自己免疫力が勝れば、無事かもしれません。
しかし、自己免疫が劣れば、再繁殖します。

それを繰り返せば、
周囲の歯まで悪化するでしょう。
遠洋漁船のように治療できない環境にあれば、
「歯ぐきの腫れが原因で死亡」したという事例もあるんです。
「緊急入院で、歯だけでなくアゴから切断」しなければならないこともあります。
ちゃんと治療しましょうね。


余談ですが、私も数年前、歯の痛みが原因で3日間寝込んだことがあります。

自分で治療することもできない上の奥歯。
仲間の歯医者に治療を頼んでいても、なんとなく放置され、
そんな状態で数年経ち、気づけば神経をとらなくてはいけない状態に・・・。

結構、歯の痛みって辛いんです。
ほとんど前触れもなく、一気に!
熱が出て、動けない状態・・・。

医者の不養生というか、
仲間同士だと、ふざけ合ってしまうというか、

結局その後、研修医を指導した時の、治療の実験台になりました。
へたくそな治療というのを、2年近く患者役として体験することに。


ホントに早め早めに治す習慣をつけましょうね…。


カラフルあっぷるいーと3.JPG


posted by あっぷるいーと いんちょう at 16:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病・歯肉炎・歯ぐきの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする