2018年01月10日

2018年1月の予定&戌年にちなんで犬の歯周病の話

2018年1月の予定&戌年にちなんで犬の歯周病の話

19日(金曜)17:30終了
23日(火曜)午前休診・午後通常診療

となっていますのでご注意ください。

――――――――――――――――――――――――
新年あけましておめでとうございます。
2018年が始まりました。

20180104_205158.jpg

写真は浅草橋近くのビル。靖国通り沿いでした。
たまたま赤信号で止まったら目に入ったのでパシャリ。
ライティングで鏡餅というのも面白い。

新年早々。自販機で缶コーヒー買ったら
7777がそろったようで
(見てなかったけど電子音はしていた)
もう一本の大当たり。
人生で2度目なので、当選確率は低いけど。
今年はプチラッキーな年になるのでしょうか。

さて、今年1回目のブログでは
いきなり「グロい写真」(気持ち悪く見える写真)を
掲載します。
好まない方は見るのをやめておきましょう。

題して
「ペットの歯周病は大丈夫?命にかかわりますから気を付けて。」

うちのワンちゃんの話です。
うちでは現時点で犬3つ猫1つ(匹とは言いたくないので)
と生活しています。
ペキニーズ×2・ヨークシャーテリア・ヒマラヤン
といるのですが、
戌年ということもあり、正月休みだし、
口臭も臭く感じていた2つの
歯石取りをするか。
と気軽に始めてビックリ。

最初ペキニーズから始めたら
こんなに歯石が大きいのかと・・・。

年末に
異変に気付いたのは母でした。
口の中から血が出ていると。
獣医に診てもらったのですが
抗生物質を渡されただけでした。
切れてもいないし、胃腸からの出血でもないそう。

それでも多少は良くなったのですが、
御飯も食べなくなり・・・

正月休みに入ったので私が口の中を見てみると
がっつりした歯石とその下に「ものもらい」
みたいな歯ぐきの腫れ。

もともと自宅用に置いていた
スケーラーという歯石を落とす器具をもちい
人間と同じようにやろうとします。
たいして腫れていないところは難なくやらせてくれました。
しかし腫れているところ、歯が揺れ出してしまったところ
などは嫌がってやらせません。
人間でも痛く感じるところです。

以前獣医に聞いたことがありますが、
歯専門でやる獣医がいて、
全身麻酔をして眠らせて
ペンチみたいな道具で
ペキペキ砕き割って取るのだそう。

全身麻酔はできなくもないが、
もともと心臓が強い犬種ではないので
できるかぎりかけたくないし、自宅ではできない。
歯科診療と同じ歯石取りの方がペンチのようなものを
使うより細かくできるだろうし歯を痛めなかろう。
ということで2人がかりで押さえながらやるしかありません。

歯の側面を覆いかぶさる大きな歯石。
気のいいワンコですので噛まれはしませんが・・・。

1時間がかりで、絶対落としたい歯石だけを取った感じです。
はーはーしていた状態が落ち着いた20分後くらいから
食事を自発的に取り始めました。

歯石で口の中が気持ち悪かったのか
炎症が慢性的に続いたせいでの体調不良なのか
動揺し始めた歯が痛かったのか。
もともと動物(犬も)は噛みはしますが基本は丸飲みです。
人間のような咀嚼はしません。
ここ数日ほとんど食事をしなかったのが
歯石を取った直後から普通に食事しはじめ、
健常時と同じ状態になったのですから、
治療のためと押さえつけられたことでのカロリー消費の補充
という意味だけではないのが分かりますね。

ちなみに人間の場合もある種、歯石落としをちゃんとやると
やっている最中からお腹が鳴り出す人が
ウチの場合は約60%くらいいます。
歯石を落とすことで腸の蠕動運動がしっかり起こる
ということを指し示すと同時に
ちゃんと歯石が落とせているという指標にもなっています。
お腹がならない人のほとんどが
「くいしばりレベル3」(ウチの指標なので他所では通じませんが)
歯根膜の柔軟性がなくなっている状態の人ばかり。
身体の連動が閉ざされているのでしょう。

ともあれ、ウチのワンコにとっても、
歯石による歯肉炎・歯周病のせいで
腸の動きが悪くなり食欲がない状態になっていた
可能性も考えられるというわけです。

クタクタに疲れはしましたが、
もう1つもこのままやろうということに。
ヨークシャーテリアの番です。

奥歯・・・歯の形がわからない・・・
人間とは形態が違います。
でも、さっきのペキニーズとは異なる違和感。

歯石っぽいところにスケーラーを差し込みます。
そして取れたのを見て・・・
なんだこれ・・・

先ほどの10倍以上歯石。
歯にあたる面はグジュグジュの臭く軟かい何か。
歯を覆うほどのカルシウムの塊。

こりゃやばい。
死んじゃうよ。
片っ端から取らなきゃ。

もう1つ奥はグラグラ過ぎて根っこごと歯が取れた。
人間でも同じですが、
骨とくっつくべきところが炎症で破壊され
歯そのものが異物(害)として判断されるようになると
歯を排除するために、歯に触れるハグキに皮(表皮)
が作られ、拒絶の壁のようになります。
抜け落ちるのを待つ生体防御反応です。
そこまで悪くなった歯は簡単に抜けます。
反対の歯はなんとか歯石だけが取れた。

20180103_220626-1.jpg

・・・その結果がこれです。
赤い丸で囲まれたものが歯(歯根までくっついたもの)で
それ以上大きいのがすべて歯石です。
なんとなく歯根が3つ見えるでしょうか?
とんがっている角みたいに見えます。
そのうち2つは赤茶けた感じ
・・・これすべて歯石に覆われています。
まさに生体にとっては異物(害)ですね。
実際に残りの1根のほんのわずかなところで
この歯はぶら下がっているだけだったようで、
抜けたハグキからはほとんど血は出ませんでした。
(ほとんどが皮になっていたということです)
ちなみにこの残り1根も、歯根の形がおかしい。
たぶん膿も出ていたのでしょう、
歯根が溶けて短くなっているようです。

20180103_220742.jpg

取った歯石の比較として
前述のペキニーズの大きいといえる歯石とも
並べてみましたが、大きさの次元が違います。
(小さく見える方も歯を覆い隠すほどなんですけど)

愛犬といえども、嫌われるの覚悟で治療に取り掛かっています。
二度としっぽを振ってくれなくても
死なれてしまうよりはマシ。
・・・そんな思いは通じているのでしょうね。
治療後、普段通り、ちゃんと愛情を示してくれましたから。

20180106_203126.jpg
たぶん初出しのウチの子。

太りすぎで腰が立たず、歩けないのかと思ってましたが、
歯石を取った直後、最近見たこともないスピードで
はしゃいでいました。
・・・いかに歯周病の慢性炎症が、
「食」や「歩行」など様々なことに影響するのか
再三にわたって実感するわけです。

残念ながら、他の方の愛犬や愛猫の歯石を
取ってあげられるわけではありません。
ちゃんと信頼できる腕を持った獣医さんを探しましょう。
歯石取りはできない獣医さんもいますし
ある意味、歯の治療は特殊技術の塊ですので
見よう見まねで素人がやるのも危険だったりします。

以前テレビで見たことありますけど
馬専門の歯医者(獣医)さんもいて
口に頭を突っ込んで視診し、
やすり掛けして噛み合わせを整えたりと、
すごい事やっていました。

私は今回のことでものすごく反省しました。
もっとペットを可愛がるだけじゃなく
歯のケアもしておくんだったと。

せっかくの戌年です。
皆様もペットの健康も気遣ってあげてください。

家族みんなで幸せな良い年でありますように。



カラフルあっぷるいーと3.JPG



posted by あっぷるいーと いんちょう at 13:12| Comment(0) | 歯周病・歯肉炎・歯ぐきの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月26日

歯周病治療を「歯科医師」が行う意味

梅雨ですねぇ。
急などしゃ降り雨が、いきなり上がって快晴に。

吉祥寺の一角に咲く梅雨にうたれても咲き誇る花。
20130625_145647.jpg
中央線沿いの一角の風景です。
いつも通る道の
ちょっとした変化に季節を感じるのも新鮮な感じがします。

こういう時期にちょっと増えてしまう症状が、
皆さんおなじみの「歯が痛い」。

とはいえ、虫歯ではなく
歯周病の痛みを感じる方が増える時期です。

歯が疼く、浮いた感じがする、噛むと痛い、しみる・・・
気候の影響や、体調変化の影響などで
とくに、「くいしばり傾向のある人」にみられる時期です。

歯周病に関しては、ポピュラーな題材ですので、
このブログでも、何度か書いていますが、
今回はちょっと視点を変えてお送りしましょう。

2チャンネルや、
一般の方の医療相談系座談会とでもいうべき
ネット上の「歯周病やその治療状態」の内容を見ると、
あまりにも滅茶苦茶で適当なものが多いんです。

そのなかでも一番「カチン!」ときたのが、
歯石は歯科衛生士が取るものなのだから、
歯科衛生士のいるクリニックじゃなきゃダメだ、
という意見の乱立。

そこで思い出した。
専門家を名乗る歯科医師がテレビで似たようなことを言っていた。
・・・きっとこの人も、
     歯周病 = 歯石だけが悪い
       と思っているんだろう。

そこには、歯石という「汚れやバイ菌」を取ることだけが
歯周治療であるかのような誤解があるんですねぇ。

もっとも、私たち歯科医師の、
真の内容を解説する複雑な説明より、
患者さんのイメージしやすい言葉を選んで
注意喚起を促してしまいがちなことにも原因があるのですが・・・

歯石が付いている部位 = 磨けていない所
・・・ってだけじゃないんです。
(もちろんそういう意味もおおいにあるんですが)

「噛み合わせが強いところ」ほど、
ハグキが下がり、歯根が見え、
歯根の複雑な形ゆえに
磨いていてもデッドスペースが出来てしまうから
歯石が残って磨けていないように見える所。

「ドライマウス」の影響で、
自浄作用(ツバで洗い流す力)が衰え、
歯石が蓄積してしまうところ。
またその影響で「酸蝕症」になり
歯石が付着しやすい状態になっている所。

「身体の抵抗力が低下」し、
わずかなバイ菌にも過度の炎症反応を起こし、
血清成分の豊富な歯肉溝滲出液(しにくこうしんしゅつえき)が
あふれてしまい、細菌の温床となっている状態。

などなど、
歯ブラシよりも前に、原因がある人は相当多くいるんです。

それを診断するには、
本来なら歯科医師が歯石を取りながら、
1本1本の歯に
・どう付いているのか
・どこまで付いているのか
・なぜ付いているのか
を見極めるのが最善策。

原因療法であるべき歯石取り(スケーリング)が、
単なる対症療法にしかなっていないようではダメなんです。

スケーリングを
手でやるクリニックがイイのか
機械でやるクリニックがイイのか
なんてページを目にした時なんてバカかって思いましたもん。
両方必要です。
手だけで行うところ・・・難しいですよ完全に取りきるのは。
機械だけで行うところ・・・まずハグキの中は洗っていませんよ。
(すべてがそうと言い切るつもりはないですが、
 どっちかだけなんて出来ませんもん。私。)

歯がつるつるした・・・という感想じゃなく、
口の中がスッキリ軽くなった・・・という感想をもてれば
ちゃんと歯周病治療がなしえたといえるんです。
炎症部まで治療された状態ってこういうことです。

当然そのためには、出すべき「ハグキの血=炎症」をしっかり出し、
歯石とともに取り去ることが有効です。

歯周病治療には、
内服薬等を用いる「歯周内科」
手術を伴う「歯周外科」
もあるんです。

それだけ手ごわい病気が、歯周病。

それをすべてモーラできるのは歯科医師だけでしょう。
もちろん通常は、
歯科衛生士と共同で歯周病管理を行っているでしょうから
我々から見れば、分業+共闘という感覚なのですが、
一般の方には、歯科衛生士だけが歯周病のプロと
勘違いしている人が多いのでしょうね。

ウチは・・・歯周病によってズラされる噛み合わせの影響が
さらに歯周病を増悪させてしまう事を鑑みているので、
自分でスケーリングしたいんですねぇ。
その方が細部までの状態がわかるので。
(結構多いんですよ、そういうクリニックも)

まぁ、クリニックによっても
治療の考え方やスタンスは大きく異なるので、
一概に言い尽くせるものではないのですが、
残念すぎる意見を目にする度に、
ちゃんと正しく広める活動をすべきだなぁと思います。

虫歯、顎関節症、ドライマウス、くいしばり、噛み合わせのズレ・・・
ホントに多くのことに絡み、
それらの原因ともなっている場合の多い歯周病。

一般では、その影響が出てくる「6カ月」を目安に、
個人に合わせて、早かったり遅かったりのペースで、
スケーリングする習慣があるといいですね。




カラフルあっぷるいーと3.JPG









posted by あっぷるいーと いんちょう at 02:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病・歯肉炎・歯ぐきの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月08日

良い歯の集い & すきっ歯でも歯石

2012年6月10日(日曜日)は、武蔵野公会堂にて、
「 第45回 良い歯の集い 」
が開催されます。

8020運動というのがありますが、ご存知でしょうか?
80歳になっても20本以上、歯を残そうというスローガンです。
これをクリアされた方々を祝し、見習おうとする集まりです。

今回から私も参加します。
ちなみに今回の担当は御土産係だそう。

歯が残るために、何が大切か・・・
それは虫歯と歯周病のケアでしょう。

今回はその中で歯周病について触れておきましょう。


20110930160316.JPG

この写真は、下顎(かがく・したあご)の前歯を、
舌側(内側)から見たものです。

ハグキのラインに沿って黄色く見えるのが歯石。

まさに磨き残してしまうポイントでもあります。


20110930161540.JPG

同じ部分の歯石を取った状態がこんな感じです。

歯石が付いていたラインに注目!
歯自体の形が、球体のように“丸い”感じがわかるでしょうか?

歯茎に沿うほどに、この丸みの“陰”になってしまい、磨き残してしまう。
歯ブラシが届きにくいポイントです。

さらに、力いっぱい磨こうとするほど、
歯ブラシの毛先がこの“陰”に届かない・・・

箒(ほうき)のように、
押しつけたら掃けない!
毛先でスッスと軽く何度も当てることが肝心です。


20110930160316-212.jpg

同じ写真を2枚並べてみました。
今度は、黄色い丸に注目!

歯石の形どおりにハグキがクボんでしまっているのがわかりますか?
よく見ると、その歯茎も赤くタダレている感じ。

この腫れた感じが炎症です。
写真上 = 見た目・・・では、その程度の印象かもしれませんが、
ハグキの下の歯槽骨(歯を支える骨)まで、炎症が波及してしまっていると、
歯がグラグラになって抜け落ちてしまうことにつながります。


すきっ歯(すきっぱ)な人でも、歯石はこのように溜まってしまいます。

正しい歯並びをしている人でも、歯周病の危険性は大きく、
叢生(そうせい)と言われる乱杭歯(らんぐいば)や八重歯(やえば)
などがあるほど、ちゃんと磨かなければリスクが高くなりすぎてしまう。

歯石になってからでは、歯ブラシで落とせません。
そうなる前のプラーク(歯垢)の段階でケアするしか、
自己解決の道はありません。

それでも残ってしまうから
・・・定期的な歯科医院での専門ケアが大切になるのです。

早ければ3日ほどで歯石になってしまいます。
磨き具合や、食生活、体調変化などで変わってきてしまいますが、
歯周病が歯槽骨を溶かし始めるには、
3か月〜6ヶ月〜1年ほどの猶予があります。

そのため、歯石の付きやすさや、磨き方の危険度を考慮し、
その人に合った期間をあけて、定期クリニックケアをお勧めしています。


老化で歯がなくなってしまうのであれば、
8020運動なんてありえません。

達成できる人がいる・・・それこそが老化で歯を失うのではない!
という証明でしょう。

このブログのサブタイトルをもう一度見てみましょう。
老化の5〜6倍速く、
歯を支える骨がなくなってゆくのが歯周病の脅威です。

達成できた人たちの笑顔を見に、多くの方々が、
2012年6月10日(日曜日)に、
武蔵野公会堂(マルイの横です)にお越しいただけると幸いです。




カラフルあっぷるいーと3.JPG








posted by あっぷるいーと いんちょう at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯周病・歯肉炎・歯ぐきの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする