2012年10月17日

秋の味覚で歯を元気に

ヒトは食べたもので毎日作り替えられているから。

歯に必要な栄養素はカルシウムだけじゃなく
ビタミンA・C・Dやリン・良質なタンパク質なども必要です。
人間は毎日、食事によって得た栄養で1兆個ほどの細胞が作り替えられています。

たとえば骨。
幼児期では1年半。
成長期では2年未満。
成人では2年半。
70歳以上では3年ほど。
で新しい細胞と入れ替わるといわれます。

血液は100〜120日。
皮膚は1ヶ月。
筋肉は早いものでは1ヶ月、遅いものでは200日。
・・・臓器の多くは1年もあれば全く別の細胞に。

長く付き合いのある患者さんの中には、
入院や手術を余儀なくされてしまう人もいます。
そういう人たちに必ず話してあげること・・・

細胞は入れ替わる。
入れ替わる細胞になるのは、摂取した食物だけ。
だから生きることは食べることです。

ダイエットや金銭問題があるとしても、
あなたの身体がもし、
コンビニ弁当やファーストフードで置き換えられてできているのならば、
その程度の価値しかないということになってしまいます。

細胞の強度も、フレッシュさも。

食の細くなった高齢者や不規則になりがちの
社会人ほど、歯も弱くなり、歯が悪いことで
食べた栄養も細胞へ変わりにくくなります。

まさに悪循環。

食欲の有無や、噛める噛めないなんて言ってられる状況にない人も多くいます。


口腔は身体のSOSも発します。
一時的なものから常に弱っている状態までさまざま。

舌の状態や、様々な視診・触診からそのSOSを読みとることもできます。

歯を健康に保つために全身の変化も診る、あっぷるいーと吉祥寺歯科では、
薬膳アドバイザーの資格も持つ院長から、
いまの自分の身体が要求してる「食材リスト名刺」を差し上げたりもしています。

歯が良いということと、身体が健康であるということは、
イコールに近いのですね。


そこで、せっかく秋なのだから、秋の味覚でご紹介。

1日に身体が必要としている栄養成分のうち、
歯にも関わってくる栄養成分は・・・

ビタミンA = 2000IU
ビタミンD = 100IU
ビタミンC = 100mg
リン    = 700mg
カルシウム = 600mg

100gあたりの成分料の目安

さんま ビタミンA=120mg
    ビタミンD=480IU

栗   ビタミンC=33mg
    リン   =70mg
    カルシウム=30mg

柿   ビタミンC=70mg
    リン   =14mg
    カルシウム=9mg

薩摩芋 ビタミンC=30mg
    リン   =46mg
    カルシウム=30mg

どうでしょう、
100g程度、食べたくらいでは、不足しているのがわかるでしょう。

ときおり、ちゃんと食べていると言うのに、
身体がSOSサインを発している人がいます。

食べ物の質、種類、量、の3つは意識された方がいいです。
特に、偏りがちなことに自覚がない人ほど・・・



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2012年09月12日

雷と若手歯科医師に贈る触診の意義

私は天気予報を見るとき、その地域のことしか見ていない。
よほどの大雨情報や、被災地の熱波や雪のニュースなら見るが。
普段なら東京の天気マークを確認する程度だ。

SC20120911-2357562.png

思いっきりわかりにくいだろうが、この写真はブログ記載開始時点のものだ。
写真ではシャッターが間に合わないため、
動画を撮って、スクリーンキャプチャし、
編集したものをアップロードしている。

たぶん中野区や杉並区のあたりなのだろうが、もう1時間以上も稲光がしている。

オレンジ色や白色LEDのような色。
かつてテレビニュースで見た、湾岸戦争の戦火のように、
爆発事故でもおこっているのかと疑ったほどだ。

だがこの写真の黄色い丸の中にある発光体がわかるだろうか?
星だ!

自宅である練馬区は晴天そのもの。
平和にも、あまたの虫の鳴き声がしている。

同じ東京・同じ23区内にもかかわらず、まったくの別模様。
一概にしてはいけないのだ。


そういう意味では、医療はどこまで正しく原因を明らかにできるか
という推理にも近い判断が要求される。

東京という範囲ではなく、区単位、町名単位、番地単位・・・
という判断が要求されることも多い。
逆に、番地単位のみで診断して、
東京という単位で見ていないというのも、ダメなのだが・・・。


以前より、患者さんと話すとたまに言われることがある。
「内科とか外科とかでも、
痛いという訴えで行ってるのに触りもしないところもあるのよ。」

私の場合は、噛み合わせ(顎関節症)治療の一環として、
肩や首のハリを触診したり、マッサージして揉み解すことがある。
口を開ける筋肉や閉じる筋肉に関係してくるから
私としては当たり前に触るのだが、
それを良いと思ってくれる患者さんとの雑談で、
時折、前述のような医療に対する不満が出てくる。

民間治療で「手当て(てあて)」というように、痛いところは触るもの。
状態の確認を疎かにされた。
・・・患者さんには、そんな思いもあるのかもしれない。
でもそんな事を計算に入れなくったって、
どんな状態かを理解するため、医者なら触ってみるだろ普通。


検査データやレントゲン画像しか見ない医者の増加・・・
検査機器の発展は30年前とは比べ物にならないほど進化した。
だからこその弊害とでもいうべきか。

少なくとも、歯科に関して言えば、
触診の技術なんて大学ではほとんど習わない。
いや、問診や視診ですら臨床(治療現場)で役立つものは、
実戦経験からしか学べないものがほとんどだ。

もちろん基礎知識がどこまであるかによっても、左右される。
たんに触ってみて異常が判断できたとして、
それがなぜ起こっているのかがわからなければ意味がない。

私の場合は、顎関節症がわかっていて、咬合が判断出来ていて、
高性能のレントゲンをはじめとした進化した医療機器を用いたうえで、
解剖学や人体力学、東洋医学やスポーツ歯学、整体や医学などの
バックボーンを培ってきているので、
総合的な判断から「原因」や「歯以外の症状」を見極めるようにしている。

でないと、噛み合わせは、いじるべきではないと思っている。

たとえば、
肩のハリが、噛み合わせの原因で起こっていることは多い。
でも逆も真なり。
肩のハリの原因が背中にあることもある。
その影響で噛み合わせが壊されてしまう・・・
そんなものを、いきなり噛み合わせ治療してはいけないのだ。


筋トレで広背筋を鍛えるのに行うやり方で、
ワンハンド・ダンベルロウというのを知っているだろうか?
5kg以上のダンベルを持ち、腕を上下させるトレーニング。
(詳しくは検索してください。)

背中を鍛えるのに腕?
・・・だって背中の筋肉は腕にも付いてるんだよ!

上体そらし、ピラティスでいえばスワンダイブ
しか背筋を鍛える方法を知らなかった人もいるでしょうか?

筋肉は骨に付く。
それだけじゃなく、筋膜を介して他の筋肉にも影響する。
それらを読み解くことも、必要なんです。

もっとも、全身の筋肉を触診したほうがすべてわかるのだが、
歯科でそこまではなかなか出来ないでしょう。
だから私は必要最低限として、肩までの触診にとどめている。
(時に背骨の状態が知りたくて背中までやることもあるが・・・)


ついでなんで、噛み合わせをいじるときの追加点をもう一つ。
歯周病などの歯を支える一番大事なところの炎症でも、
歯が浮く!
 = 噛み合わせのための歯の位置がすでに正しくない状態
ということ。

そのため程度に応じて、歯周病治療をしなければ噛み合わせをいじっちゃダメ
という人も多い。
治療した直後にいじることも、状態によっては避けるべき時も多い。


噛み合わせに関する記事を書くと、まずいじってくれと言われるが、
大抵そういう人の希望をかなえられるのは、
数回の噛み合わせ以外の治療が終わってからじゃなきゃ
できないことが多いんです。
(いろいろ書きたいけど、今回のテーマは触診なんで、またの機会に。)

脱線しまくっているが、何も筋肉だけが触診ではない。
膿胞や腫瘍、炎症の波及状態、咬合接触状態や顎関節の動き判断
・・・様々なことに必要となる。

顎下リンパ節の腫れ具合は、親知らずをはじめとした
炎症性疾患の診断に必須項目だ。


医科と歯科で異なる大きな点がある。
基本的に歯科は手袋(ゴムグローブ)をしているということだ。

わずかな違いを鋭敏に察知するにはナイほうが良いのだが、
50年前の歯科治療じゃないので、
素手で行うことは不可能な時勢である。

そのぶんより繊細な感覚を鍛えておかなければならない。
私の場合、基本的に顔や首を触るときにははずすが、
一連の流れで、口腔内を触りつつ顔を触診しなければならない時もある。
交互に触るときに、いちいち手袋を取ったり着けたりしてられない。
そこで、
親指や人差指で口腔内を探り、
中指や薬指で顔を触診することもある。

・・・だって、ツバの付いた指で、顔を触るわけにはいかないでしょ。
・・・逆に、メイクの付いた指で、口腔内を触るわけにもいかない。
もちろん手を洗って触ることもあるけど。

慣れるには難しいことかもしれないが、
一度慣れてしまえばこれほど診断に役立つ方法はない。


筋肉の触診に戻るが、
触診でわかったことから、生活習慣の注意点をアドバイスすることもできる。
特に、癖や職業病からくる筋肉の歪ほど、正しく改善してあげたいことが多い。

単にマッサージ屋に行って誤魔化すだけじゃダメなんだ。
マッサージを有効活用できるような下地の改善は医療じゃなきゃできない。
代替医療との相互補填・・・みんなで患者さんを良くする医療へ。

医科・歯科問わず、触診は大切な診断方法です。


・・・あっ・・・雷は消えて、いつの間にか練馬もうっすら雨が降った跡がある。
窓を閉めてたから雨音すら気付かなかったし、もう止んでいる。

人体も同じ。
どこかで起こった異常の余波が、
時間差で、さっきまでなんともなかったトコに影響を及ぼしていることもある。
本人すらも気付かずに、静かに蝕む・・・・・。

医療の専門家である医師がそれを見逃さないようにと考えているならば、
少しでも多くの情報収集をしようとして、
自然と触診は行われてしかるべきだろう。



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posted by あっぷるいーと いんちょう at 03:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月28日

骨粗鬆症を歯科のパノラマレントゲンで診断

今日は、ちょっと本気の記述にしてみました。
一応一般の方にも読んでもらえるようには、したのですが
難しい事も書いちゃってます。
わからなかったら、ごめんなさい。

日本における骨粗鬆症は、
閉経時期の50代を境に増加し、
60代女性の4〜5人に1人、
80代以降では2人に1人、
総数では10,000,000(1千万)人以上いるともいわれています。

さらに実際に大腿骨の骨折で来院される患者さんが
20年前の3倍!
ある外国での20年間の大腿骨骨折増加率が10%程度であるのに
日本じゃ300%アップってことに。

骨折により100%寝たきりになってしまい、
女性では3年以内に、およそ35%の方が亡くなっており、
男性では60%の方が亡くなっているというデータもあります。

日本人の10人に一人が骨粗しょう症(骨粗鬆症)にかかっている計算になり、
そのうち80%の950万人は、
実際自分自身が骨粗しょう症(骨粗鬆症)にかかっているのに気づいていないという。

笑えない問題です。
単なる老化現象ではありません。

歯科に関連する事としても、
アゴの骨量が減ると容貌(顔つき)が変わります。
歯周病になりやすくなるし、悪化しやすくなる。
(おまけに40代の4人に3人が歯周病罹患者でありながら自覚がない)

骨粗しょう症(骨粗鬆症)の患者への治療薬として、
現在ビスフォスフォネート系薬剤(以下BP系薬剤)の 投与(静脈注射と経口薬)が
整形外科や内科で盛んに行われています。
このBP系薬剤は、骨粗しょう症(骨粗鬆症)の治療薬として、
非常に効果的でこれまで副作用等の問題は ありませんでした。

しかし、最近、BP系薬剤の投与を受けている患者さんのうち、
3年以上投与されている患者さんが抜歯やインプラント を行った場合、
BP関連顎骨壊死・顎骨骨髄炎(あごの骨が腐る)が発症していることが増えている報告が、
2008年に入って、厚生労働省から各歯科医師会に通達として回っています。

つまり歯を抜くことすらできない状態で、
歯周病が悪化しやすい状態であるということは、
歯周病の行きつく先・・・
心筋梗塞・糖尿病悪化・バージャー病(手足が腐り落ちる病気)
さまざまな命にかかわる状態へ転げ落ちていく・・・

歯科としても、
骨粗鬆症予備軍かもしれない人を気づいてあげなければいけないのです。

そこでパノラマレントゲン撮影の有用性を挙げておきましょう。

虫歯や歯周病や顎関節症の診断だけでなく、
骨の状態も大まかにではあるけれども、診断可能なんです。

ウチのようなデジタルをもっていれば、
骨密度状態を計量する事もできます。
しかしアナログであっても
下顎骨皮質骨の粗造化や厚み
を見ることはできるでしょう。
(もちろんデジタルの方が見やすいですが)

特に2004年に広島大学が発表した診断基準は有用です。

下顎第2小臼歯からオトガイ孔にかけての垂線にある
皮質骨が2本以上の白い線に見えるモノは骨粗鬆症の疑いあり。
(正常なら1本の線が見える)

90%近くは診断可能です。
もちろん確定診ということではなく、
内科や整形への受診を促し、早期発見へとつなげる事が歯科の役割でしょう。

歯科におけるデジタルパノラマレントゲン撮影は、
線量も少なく、人体への悪影響もありません。
腹部に防護衣を着せることで、本来ならば妊婦への使用も問題ありません。
(心配がる人の心に配慮して無理に撮影する事はありませんが・・・)
(1年366日の閏年を嫌がる人はいるでしょうか?
 我々は自然の放射線を毎日浴びています。
ウチで使用するデジタルの放射線量は、
その「1日」多い程度すらありません。)

逆に歯の事以外にも様々な有用な情報を教えてくれるのです。
それも命にかかわるドミノ倒しの初期の時点がわかるのです。

ぜひとも、
そういう診断までしっかりやろうとする歯科医師が増えてくれることを願います。

そして、40代からは出来たら毎年
レントゲンを含めた検査を率先して受けるようにしましょうね。




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posted by あっぷるいーと いんちょう at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする