2018年05月21日

噛んで食べることの重要性4回目、脳の認識

噛む食事摂取がなぜ重要なのか?の4回目です。
摂食嚥下の始まりと脳の関係を紐解く回となっていますが
活字だけで解説するには難しいかもしれません。

空腹感が食事の本当のスタートですが、
摂食嚥下の話というとここからがスタートになります。

摂食嚥下のスタート地点は
「食べ物であることが認識できる」所から始まります。

脳機能や視覚などに障害があり
食べ物と認識できない人、
介助で食べ物を差し出されているのに
寝てしまい起きていられない人、
など口の中に入れるよりも前の段階が
働かないことには「食べる」が難しくなります。

介護の現場では
声かけやスプーンなどで唇を刺激してあげることで
食べ物を口に入れたりと
その状況に応じて創意工夫を重ねなければいけないわけです。
プロの現場を覗ける機会があるとよいのですが・・・。

先ほどの空腹感にも絡んでますが、
五感をフルに使って感じる空腹感などは、
特に食事として認識できていることと同義といえるでしょう。

逆に
食べることに対する興味すらもないような
テレビ見ながら、新聞読みながら、スマホ眺めながら、
な生活が健康なうちから当たり前になっているようでは
食への興味もわかなくなります。
食事とは飲み込めばよいだけの手段とでも
思っているのかもしれませんね。

もちろんどう食べようが個人の自由でしょう。
ただ考えてください。
介護現場では、食事に40分かかるならまぁまぁ。
2時間かかるという人もいるわけです。
食事に10分程度しか掛からない現代において
噛むわけでもない丸飲み状態の人が40分です。
介護職員は何人で入居者何人を見るんでしょう?
他にもやることは山のようにあるでしょうが、
食事が終わらなければ次に進めません。
あなたが食事に2時間かかる人になる可能性もあるんです。
健康な時どうだったか?
それが関わっているかもしれません。

使わない機能は劣化・退化していく。
廃用性症候群といいます。
食べる機能も廃用性症候群になりえます。
毎日歩いていたのに歩けなくなる。
毎日話していたのに話せなくなる。
毎日食べていたのに食べられなくなる。
病気のせい、事故のせい、薬のせい・・・だけでなく
「正しく使っていなかったせい」
も同じレベルの悪化をします。

昨日の晩飯は・・・もし答えられなければ
記憶に残っていない可能性があります。
記憶に残るほどそれを見ても感じてもいないかも?
それは
テレビ見ながら、新聞読みながら、スマホ眺めながら、
食べている人と同じレベルなのかもしれません。
残念ながら自分に対する戒めの言葉でもありますが
自分も覚えていないことが時々あります。
商品名的な名称は答えられる・・・なら、
味や香りがどうだったか、例えば何に似ていたとか、
食べたものの感想も言えるほど記憶に残っているなら
安心ですよね。
こういうところからも脳機能の衰えが来る要因になります。
お互い注意しましょう。

食べる機能を退化させない第1のポイントとして、
後々で何を食べたのかもわからないようじゃなくて、
日頃から食べ物をしっかりと認識する癖を付けましょう。
色・艶・香・・・調理されたものを楽しむことができます。
時期・産地・・・素材としての特徴を推考することができます。
ここのスーパー・あそこの八百屋・・・買い出しの会話も家族で。
「当たり前の毎日を、豊かなものに変えていく魔法。」
そんなキャッチコピーが昔あったような?
創作したのかしら?
どう楽しむのかは自由。楽しんだもん勝ち。
その結果が数十年先の未来で活きるかもしれないし
残念ながら
摂食嚥下機能が悪化するのは変わらないのかもしれません。
しかし、現在では食を楽しめた人ほど、
食への関心が高まり、良いものを選ぶようになり、
身体の病気リスクが減るかもしれません。
普通のスーパーの同じコーナーに並ぶ野菜の中から
よりみずみずしいものを選べるようになるかもしれません。
(手指で押しつぶして確認しちゃダメですよ)
そんな積み重ねが
10年で悪化する健康曲線が
20年先まで伸びる、
30年先でも健康ラインを保っている、
なんていう変化につながります。
「治る」こともその一環ですが、もっと前に
悪化度を減らし、健康でいることがまず最大の予防です。

脳の働きで食事をとらえてみましょう。
例えば食事の出発点は先ほどから言うように
「見て認識」することから始まります。
そして食べるに関連した、
情動が生まれ、記憶を呼び覚まします。

具体的に言うと、まず
視覚情報は後頭葉に伝えられます。

その後2か所に情報を送ります。
一方は側頭葉。
「これは何?」と物体を認識する場所です。
食べ物であると認識するのに重要です。
もう一方は頭頂葉。
「どう使う?」道具の使い方を判断したり
「どこ?」空間情報処理を行う場所です。
例えばスプーンに乗ってるので噛み切らないように。
唇までの距離がまだある・・・などを判断します。

その情報が前頭葉で再び統合され
大脳辺縁系視床下部の満腹中枢・摂食中枢の情報とともに
摂食(ご飯を食べる)という決定を下します。
同時に食事に対する意欲や自発性も生まれます。

その結果として運動プログラムが活性化し
運動野が活動し食べる行為へ
・・・これが食べるための脳の働きです。

食べるという習慣も
脳の大まかなすべての部分を使って
食べるという動作ができるわけですね。
かつて人間の脳細胞は10%程度しか使われていないと
いわれていましたが、現代では90%以上が使われている
と判明しています。
食べるという行為ですら脳全体を駆使した結果の行動です。

だからこそ脳機能が動かない状態だと
口から食べることが難しくなります。
逆に口からちゃんと食べる
(先ほどの何を食べたかもわからない状態の真逆)
ことで脳を活性化させる。
ある種のリハビリになっていることもわかるでしょう。

食べることの重要なポイントとして
脳の機能を活性化させる
ということも押さえておきましょうね。

キレがいいのでここまでにします。
また次回。


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2018年04月02日

2018年4月の予定&駄文ドラム&噛む食事2栄養摂取の意味

2018年4月の予定

6日(金曜)19時終了
26日(木曜)学校健診のため往診は休診します。

またゴールデンウィークとして
4月29日(日曜)〜5月6日(日曜)
をお休みしますのでご注意ください。

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さて今回は駄文から。(後半は、前回の続きもあります)
例年のように年1で
ヤマハのバンド発表会が先日開催されました。
昨年に続き東急の裏のチョコ屋リンツの下のGB。
曲ごとに集結した生徒による総勢22組のバンド。

私は今回は遊びたいからと
3つを掛け持ちすることに。

4曲目5曲目と22曲目の大トリ。
CDアルバムで考えると4曲目くらいに
一番ヒットしたシングル曲を入れて盛り上げるので
(10曲前後の場合ですが)
いいポジションではありましたが緊張する順番でもあります。

TUBE 湘南MyLove
イパネマの娘
アジアンカンフージェネレーション アフターダーク
の3曲。

TUBEはバラードだが16ビートを片手でやるので
テンポ184くらいの8ビートやってる感じ。
イパネマはボサノバなのでラテン感覚。
アフターダークはテンポ192の8ビートっぽい16ビート。
片足ダブルが8分でも16分でも入る入る。
ホントはもう1曲だったけど、やりたい人が出たので譲った。

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ちなみに写真はイパネマの娘のとき。
結構周囲には冷静に落ち着いて見えていたらしい。
本人的には楽しんでいただけです。
新しい友人関係ができて
写真や動画を送ってくれたので今回はアップできました。
本来は人のいない開演前ステージをアップする予定だったので。

観客の年齢層からアフターダークを知っている人は
半数にも満たないだろうけどそれでもトリ。
紅白でいうサブちゃんポジション。(古いか)
とはいえヤフオクで1円ゲットの
10冊バンド譜+3冊アルバムスコアで
2番目に気に入った曲。というかやってみたい曲。
それまではアフターダークって曲知りませんでした。
それだけでもおっさんだなぁと自覚する。
ちなみに1番はマキシマムザホルモンの絶望ビリー
だったのだがスタッフNG。
「他のパートがやってくれる人いません」とのこと・・・残念。
前にブログで書いたかも?

とはいえこの発表会をやって初の会心の出来。
適度にアルコールを入れたため、余計な力が抜け
経験上1・2位を競う速いテンポをクリアできたわけで。
実は6曲目以降で抜け出して30分スタジオ練習したんです。
この週は全く練習できずに過ごした1週間だったので
不安を払拭したかったんですが、テンポ200でもいけるくらい
冷静に酔ってる。

プロミュージシャンでもアルコールを入れると
良いプレイ・会心の演奏ができる人が多いので
それに飲まれちゃうとアル中になっちゃうのだそう。
ジェフ・ポーカロの教則ビデオなんて酔っ払いでしたねぇ。
ほどほどにしませんと。

結果的に大盛り上がりで3次会。
ドラム練習の会を結成する始末。
そんな時間あるのか?なんて気もしますが、
たまにはね。

そんなこんなで本題に行きましょう。

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さて、食べないと死んでしまうということは
誰しもが知っていることと思います。

では食べないと
どう死んでしまうのか、
何日くらいで死ぬのか、はご存知でしょうか?

例えば最後の晩餐を食べたとしましょう。
その後6時間ほどは普段と同じ・・・
朝食後の昼食まで、あるいは昼食後の夕食まで
と同じ感じでしょう。
食べたものが栄養源として使われるので
日常と変わりないはずです。

脳は1時間で6gの炭水化物を消費するので、
御飯1膳(炊いたお米110gとして)炭水化物40.81g184.8kcal
6.80166時間
定食を食べた場合の約25%が脳で使われる計算になります。
残りのエネルギーは筋肉・内蔵・血液などに活用され
予備で肝臓に蓄えられますが
グリコーゲンという形にして約100gしか貯蔵できません。
余ると脂肪として蓄積します。

6時間を過ぎるとエネルギー不足により
空腹やイライラし始める。
肝臓に貯めておける
脳のエネルギーは13時間まで。
そのため
12時間(半日)〜72時間(3日間)の間で
「低血糖症」になります。
体内エネルギーを使い果たしたことで
軽い頭痛やめまいなどを感じることもあります。

体内に炭水化物(ブドウ糖)がなくなっても
脳にはエネルギーが必要なので
体中の脂肪をエネルギーに変えようとします。
すると肝臓で「ケトン体」が作られます。
これは脂肪をエネルギーに変えたときにできる
燃えカスのようなもので、
大量に発生すると口臭や体臭がきつくなります。
糖質制限ダイエット(炭水化物抜きダイエット)などを
行う方によくみられる症状です。
しかし、ケトン体もエネルギーとして変換できますが
脳が必要とするエネルギーを補うことは難しく、
脳は栄養不足状態が続きボーっとするでしょう。

72時間(3日)を過ぎると
脳は筋肉を分解してでもエネルギーを作り出そうとするので
筋肉がやせ衰えていきます。
また骨密度も低下し、性欲も消えていきます。

168時間(7日間)〜2週間を超えると
ビタミンやミネラルも枯渇し、免疫システムが衰え始めます。
身体は使えるものすべてを使ってエネルギー供給するのですが
もう使えるものがなくなります。

しかし504時間(3週間)以上たって死に至ります。
ほとんどが心臓発作です。

ちなみに過去の記録から絶食すると
3週間から70日間(2か月半)の間に死ぬとされています。
この期間に差があるのは
水をどのくらい飲めるか、
どれだけ太っていたか(分解するものがあるか)
などの条件で異なるからです。

即身成仏がつらい修行というのもうなずけます。
3週間以上2か月半までもかかる苦行なのでしょう。
ちなみに入院とかして食事制限で
少量しか配膳されなかった人の多くは
入院中ほとんどを寝て過ごしていたといいます。
消費カロリーを減らそうという防衛本能なのかもしれませんね。

時折、施設入居させられた・・・と考える高齢者に
「もう死にたいんだ、食事もいらない」
と意思表示する方がいたりもします。
3週間以上食べなくても死ねない苦しみと、
心臓発作で一瞬な場合と、数時間ももだえ苦しむ可能性とを
天秤にかけたとすれば、あまりにもつらい選択です。
さんざん苦行を積んだ僧侶の最後の苦行が
即身成仏なんですから、一般人が初めてやるのは
相当の意思が必要でしょうね。
まぁ、個人の自由っちゃ自由なんでしょうが、
その苦しさを受け入れる覚悟があるならば
生きようとする方がよっぽど楽に思えるのは
まだ自らが元気だからなのでしょうか?
哲学の話をしてもここでは意味がありませんので
科学的なお話に戻しましょう。

生きるために我々は食べるのです。
身体のあらゆる細胞が
食べたもので作り替えられているのですから
高齢者となった方々に、
両親からもらった細胞は残っていません。
もちろん遺伝情報をもとに
同じようなものが組み上げられているため
成長・老化などの変化はみられるでしょうが
同じようなものが作られ一定の状態を
維持しようと調整されています。

「新陳代謝」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
胃腸の細胞は5日
心臓は22日
肌の細胞28日
筋肉・肝臓は2か月
骨の細胞は3カ月
で作り替えられてきます。
とはいえ骨折時のギプスなどは
6〜12か月とかしているように
修復には時間がかかるのですが。

親からもらったの細胞もなくなって、
食べたものでしか
自分の細胞は出来上がっていないのですから
例えば「同じ病気を繰り返す」ということに
「同じ生活を繰り返している」
「同じ食習慣で変わっていない」
から同じことが起こるという要因も隠れているわけです。
もちろんそれだけが要因ではないでしょうが、
変えなければ同じもの(病気)を生み出す準備
ができているかもしれないわけです。

食とは、生きる上でも、健康体でいるという意味でも
必要なエネルギー源であり、細胞の素でもあります。

ということで
「食」=「栄養摂取」
であることは疑いようのない事実です。

しかし、
「食」の意味は栄養摂取だけなのでしょうか?

「食べる」という行為ではなくて、
「丸飲み」のように体内に取りいえることさえできれば
問題ないのでしょうか?
「点滴」や「胃ろう」、「サプリメント」で
栄養成分を供給すればいいだけの話なのでしょうか?

食=人を良くする
という人もいますが(漢字の成り立ちにそんな意味はない)
食=皿に盛った御馳走にフタをしている
が食の漢字の成り立ちだそうです。
現代なら
レストラン配膳時のドームカバー(皿カバー)か
うな重の蓋
状態というところでしょうか?

次に食べるという行為の必要性を
当たり前に食べている行為の1つ1つから
紐解いてみていきましょう。


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posted by あっぷるいーと いんちょう at 21:31| Comment(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月05日

2018年3月の予定&噛む食事の意義

2018年3月の予定

13日(火)19時終了
14日(水)19時終了
24日(土)17時30分終了
27日(火)午前休診・19時終了
31日(土)午後休診

次年度は歯科医師会の役員体制が変わる年です。
そのため今の3月〜5月でバタバタになり
武蔵野市歯科医師会は
公益社団法人の為6月からが新体制で
本格化するのが通年行事。
自分もどこに組み込まれるのでしょうか、
全くわからないので、ドキドキな時期ですね。
急遽変更などもあるかもしれませんので
申し訳ありませんがご協力願います。

痛くなりそうな方、心配がある方は
急な対応ができないこともありますので
余裕のあるうちに検診などを受けてくださいね。

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さて今回のブログは
先日の武蔵野市テンミリオンハウス事業の1つ、
月見路での歯科講演で実際に行った内容を
例年のように文章化してみましょう。

その前に昨年あったことで、
講演の2/3ほど終わったところで、
「聞こえないのでマイクが欲しい…」と言い出した
おばあちゃんがいて・・・
もともと大声を張り上げるタイプでもない為
飲食店でのカウンター越しの注文やドライブスルーなど
店員に通じていないことがよくあるんです。
うらやましいんですよね通る声って。
カラオケとかなら声が通っているらしいんですが
そのまま話し言葉にはならないし・・・。

そのため今回は初めからマイクも用意してもらい。
それだけじゃなく
すべてのスライドに話す内容を文字で入れ込むことに
したんですが・・・
1時間講演で、極力1枚の絵に短い言葉をあてると・・・
172枚のスライドになっちゃって、
それでも1時間で話し終えるように
150枚まで減らしたんですが。

ということでブログだと何回に分かれることやら。
172枚でも省いたこともあるので
そこまで足して書いてみましょう。

例年なら、話す言葉を文章化していたので
コピペすればブログになったのですが、
今回はスライドに当て込んだので
文章化されていません。
全部書き直す感じな為
当分はこのネタを引っ張る感じになっちゃいます。
退屈だったらごめんなさい。

――――――――――――――――――――――――

講演タイトルは
「噛む食事」で病気を防ぐ。
〜丸飲みでは得られない
ホルモン活性化と誤嚥予防〜
と題してお届けします。

さてタイトルにあるホルモンですが、
皆さんにとってホルモンとは何でしょう?
残念ながら今回お話しするのは
タン・ハツ・レバーなど焼き肉屋でいう
ホルモンのお話ではありません。
焼き肉のホルモンとは「放るモン」からくるそうで
食べられず放り捨てていた所から由来するらしい。

神経の間で流れるのは神経伝達物質。
同じような情報を乗せた伝達物質で
内分泌とよばれる働き、
血液に乗っかって運ばれるのがホルモンです。
例えばセロトニンなどは
神経伝達物質としてもホルモンとしても
存在します。

ちょっと難しそうですが、
昨年時のリクエストで
「さらに専門的な事が聞きたい」といわれたので
昨年よりはハードルを上げたお話になっています。

とはいえ
歯医者がお話しすることですから
結論は『歯が大切』というお話になりますから
難しい事ではありません。

さて歯が大切といわれる理由
あなたはいくつ思いつくでしょうか?

例えば歯は姿勢に関与します。
歯がすり減ることで、姿勢が崩れたり、
逆に猫背で食いしばるせいで
歯が削れたり欠けたり。
そして
歯は姿勢を支えられなくなるので
他の関連する筋肉に負担を増やしてもらって
支えなければいけない為
疲労が蓄積し、場合によっては臓器を圧迫します。

歯は左右対称に削れることなどありません。
噛み癖などによって
歯が削れ→歯槽骨が失われ→顎関節が変形し→首に負担をかけ
→肩・背骨・腰へとその負荷を増大させます。
分度器などで10度のズレがあったとしても、
ズレから近いところは数ミリ、
遠く離れるほど数センチ〜数十センチと
大きなズレになっていきます。

証明写真を撮るときなど、
「姿勢を正して」「アゴを引いて」とやると
二重顎になったりする人もいるでしょう?
そもそもアゴだけじゃなくオデコのあたりも引かなきゃ
姿勢は正せません。
肩甲骨を寄せて下げる=胸が張った感じになる
=二重顎にならず姿勢を正せている
ということです。
出来たら歯がすり減る前に、姿勢は改善しましょう。

ヒトは
なんでも老化のせいにしたがりますが
同じ年のあの人とで差があること自体、老化ではない証拠。
誰しもが当たり前に起こる平等の現象が老化です。

顔のシワなど、先ほどの歯の削れが深くかかわります。
歯が削れ顔の高さが短くなる。張っていた皮膚や筋肉が
取り残されあまりシワになる。
ほうれい線が深くなった、マリオネットラインが刻まれた、
など老けて見える影響がでます。
また肌のうるおいなどにも関連しますが、
脱線しすぎるので割愛します。

発声などではたった1本歯がないだけで声・音が漏れる
と表現される方もいます。
吹奏楽などでも、アンブシュア(加える口の形や位置)を変えたり
感覚が戻らず引退せざるをえないとなってしまう
シビアな世界もあります。

逆にバラエティータレントなどは歯が欠けた・さし歯が抜けた
などを笑いというビジネスに変える世界もあります。

近年では
歯周病と心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病・高血圧・早期低体重児出産
などだけでなく認知症や
バージャー病などのような難病・閉塞性血栓血管炎との関連で
足の先まで絡んでくることも
テレビで取り上げられるようになってきたので
そういう意味で歯が大切と認識している人もいるかもしれませんね。

昨年・一昨年とそんなお話をメインに講演させてもらいました。

しかし、一番「歯」の大切さを実感するのは
「食」にかかわることではないでしょうか?

歯がないと食べられない。
食べられないものが増える。

もちろん例外もいます。
1本も歯がなくても何一つ食べることに困らない。
しかし最近人前に出て歯がない事が嫌になったので
入れ歯を作ってほしい。
もう10年以上前の患者さんでした。
歯がなければ前歯にあたるハグキの骨がボッコボコに増大し
押しつぶせるようになるもんなんですね〜と実感させられた人。
ここまでの人は今まで3人しか見たことがありません。

本来ならボッコボコの骨を削って綺麗にし
入れ歯の型をとっていくのですが、
まずこういう人たちは、
整形的な処置の必要性を感じてくれませんから
拒否されます。
そうなれば現状で総入れ歯が安定できる方法を
考えるしかありません。

となれば第1選択は
インプラントを利用した総入れ歯が無難でしょう。
ボッコボコの骨が邪魔で密着できない状態ですから
ストッパーになるものが必要です。
まぁ、このタイプの方々にインプラントを
勧めるのも難しく、放置するようであれば、
丁寧なメンテナンスが必要な
インプラントを治療の選択肢に入れるべきではないでしょう。

さぁ、お手上げです。治療の選択肢がなくなりました。
そこで苦肉の策が、
ボッコボコの骨にあたる部分をすべてくりぬいた
総入れ歯を最低限の吸着しか得られないにもかかわらず
最大限に貼り付かせる方法しかないです。

実は3人ともにその方法をやってうまくいっていたんですけど、
そのうちの1人は、内蔵の病気で数年後に大学病院に入院され、
当然のように入れ歯が合わなくなります。
大学病院ですから歯科もあるそうで、
そこで作り直したりしたそうですけど
結局合わず、入れ歯をしない生活に逆戻り。
2年もしないうちに認知症になったと他の方から聞きました。

まだどうにかできたかもしれませんし、口内環境的に、
もうどうしようもなくなっていたのかもしれませんけど
退院後の状況を見せてほしかったですね。

よく勘違いされますが、
アゴの角度、歯の長さと角度、力のかかるバランス、
あらゆることが入れ歯の安定につながりますので、
歯科医師、三者三様で異なった入れ歯が出来上がります。
大学病院でできなかったことが
町医者でできることもあるのが歯の世界。
まぁ、この方は当時の病院から見てもちょっと遠い人でしたから
億劫だったんでしょうけど。
今も昔も80代で電車バスを乗り継ぎ2時間かけて
通院してくれる人も数人いるので、
その人しだいだとは思うのですが。

余談すぎましたが、タイトルにはあえて入れていない
「認知症」などが
歯の有無でどうかかわってくるかも
講演のポイントです。

長すぎたプロローグはここまでにして
次回へ続きます。

カラフルあっぷるいーと3.JPG

posted by あっぷるいーと いんちょう at 16:05| Comment(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする