2018年08月06日

2018年8月の予定&噛んで食べる意味第7回食後の注意とサプリなどの話

2018年8月の予定

1日(水曜)19時終了
2日(木曜)保健センターでの3歳児健診担当13:30〜16:00
  (往診はお休みになります)
11日(土曜)休日診療当番のため9時〜17時で応急診療しています。
12〜16日(木曜まで)お盆休みです。
22日(水曜)19時終了
25日(土曜)13時30分で終了
27日(月曜)12時30分で一旦終了し午後は通常通り
28日(火曜)19時終了

先月より武蔵野市歯科医師会の理事の一人となりましたので
自身が取り仕切る役員会や理事会、別件依頼の講演会などが続きます。
ご迷惑をおかけしますが通常通りの電話対応はしております。

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食後にしない方が良い
代表的な5つの事も書いておきましょう。

@ タバコ
食後のたばこは特に悪い。
ニコチンが消化に必要な酸素と結びつき
発癌物質の吸収を促す。
食後のたばこは一度に10本のたばこを吸うのと
同じ悪影響を体に与えるといいます。
食後のたばこは美味しいのですが、
1〜2時間待ってから吸う方がマシだったりします。
ちなみに就寝前にたばこは体内に
有害物質がたまったままになりやすいので
最も危険だといわれています。
何かきっかけがないと難しいでしょうが、
キッカケがあったときは禁煙に進んでみた方がいいでしょう。
(私もとあるきっかけでまだ5カ月ですが
無理なく禁煙できています。)

A 睡眠
食後に眠気に襲われるのは
炭水化物を食べて血糖値が乱高下するから。
そこで寝転がってしまうと、胃から消化液の一部が
食道に逆戻りしてしまい、酸性の胃液の影響で
食道の内層が焼け胃食道逆流症・胸やけを
引き起こしてしまいます。
また消化にエネルギーが使われている最中なので
睡眠の質が悪くなり、疲れが取れにくいのも特徴です。

B お風呂やシャワー
食べたものを消化するために胃に大量の血液を集めます。
そのタイミングで温水で温まることは
消化に必要なエネルギーや血液を、
皮膚表面に集めてしまうことになるので
消化不良の原因とされるのです。
食後30分〜1時間以上は待ってからにしましょう。

C デザートのフルーツ
レストランなどでもフルーツを
食後のデザートとして運ばれてきます。
ところが
基本的にフルーツは30分程度で腸まで届きます。
お肉や夕食は2〜4時間かけて胃から腸へ運ばれます。
つまり、お肉の消化渋滞に巻き込まれて、
フルーツがおなかの中で腐敗し
アルカリ性のフルーツが胃酸と中和し
消化不良も引き起こします。

D お茶・冷水で一服
お茶にはタンニンが含まれています。
そのためせっかくの食事で摂取した
鉄分やタンパク質の吸収を妨げることがあります。
冷水も胃を強張らせてしまい消化の妨げになります。
飲むなら温水や白湯。
体内に栄養分を効率的に吸収する手助けになります。

消化に良い事はできるだけやっておいた方が良いです。
食べ終わっても体内ではまだまだ動き続けています。

満腹感にもホルモンが関わります。
食事を始めてから20分が経過すると出てくるホルモン
「レプチン」といいます。
そのため1口15〜30回噛まないと、
食事中に20分経過できません。
ちなみにレプチンを増やしたいなら大豆たんぱく質。
ただし亜鉛やビタミンEも同時に必要です。

以前出た空腹ホルモン・グレリンと
今回書いた満腹ホルモン・レプチンは
睡眠時間に関わり、出る量に相関関係が成り立ちます。
睡眠時間が短いとグレリン>レプチン
睡眠時間が長いとグレリン<レプチン
睡眠不足の人ほど毎日400kcal多く食べたくなるそうです。
かといって寝すぎると動かないので高血圧や糖尿病リスクにも
なってしまいますのでバランスが大事に。
バランスが良いのは7時間睡眠。
その辺を目指して睡眠計画を立てましょう。

幸福ホルモン・セロトニンは日中に日光を浴びておく事で
夜間に睡眠ホルモン・メラトニンに変化します。
その睡眠リズムの調整に
朝食前のグレリン・朝食後のレプチン
昼食前のグレリン・昼食後のレプチン
夕食前のグレリン・夕食後のレプチン
という食事リズムが関わっています。
またその流れがしっかり行われることで
睡眠中に成長ホルモンが作り出されます。

ケガや病気の再生・お肌のターンオーバー・・・
成長ホルモンは身長が伸びるだけでなく
一生必要なものですが、
どんなものを食べるかだけでなく、
どう食べているかも関わってくるんですね。

口から食べることの大切さを語るだけでも
結構な回数を消費しましたね。
でもまだ食べることのお話は尽きません。

口から食べられないならどうしましょう?
経管栄養法という手段になります。
鼻から管・胃ろう・腸ろう
どこの機能が働いているか、
6週以上行う必要があるか
などで行う場所が変わります。

6週以内の短期なら鼻から、
それ以上長期で考えるなら胃ろうや腸ろう。
また胃が動いているなら鼻からか胃からか。
胃が動いていないなら腸から。
感染対策もどこまでできるかが問題になってきますので
施設によっては管での栄養が必要になってしまった方は退所して
他所の対応可能な施設に入居しなおしてくださいとなります。

腸も栄養を受け付けなかったら
血管に直接点滴をするしかありません。
1週間〜10日くらいまでなら末梢静脈に
それ以上の長期に点滴が必要となるなら中心静脈に
点滴をすることになります。

とはいえ点滴とはそんなに素晴らしいものではありません。
一般的な輸液はブドウ糖21,5gが入っています。
これはカロリーとして計算すると86kacl。
大体、具のないおにぎり1個分・バナナ1本分
の栄養しかありません。

また病院内で太らせることはありません。
なのでオーバーカロリーにはしない・させない・ありえない。
寝たきりで動かない状態でも消費されるカロリーを
補うことがメインです。
だから動けるだけの体力を失っていたとしたら
通常の点滴だけではカロリーが足りないということも。

点滴の利点は吸収率100%にできることでしょう。
米国のPDR(米国医薬品集)によると
錠剤10%・カプセル20%・舌下(液体)50%・静脈注射100%
の吸収率だといわれています。
サプリメントは栄養補助食品扱いですから
薬事法などの適応外ですので
有効成分何ミリグラム配合とうたっていても
どれだけ体内に吸収されているのかはわからなかったりします。
ビタミンなどは欠乏症もあれば過剰症もあります。
作っている会社や工場によっても吸収率が異なる可能性もある。
ましてや咀嚼しないので胃腸の動きも
食事とのタイミングしだいかもしれません。
なので足りない栄養素はサプリメントで補っている・・・
と過信しない方が良いと私は考えています。

近年話題のDHA/EPAが豊富な鯖缶。
サプリメントではDHA400r・EPA200rの1日600r
贅沢配合と記載されていたりしますが
鯖缶によっては1缶DHA2650r・EPA1964rの4500r。
7倍以上の差があり、2000〜3000rの摂取が
指標として推奨されているのですから
サプリだけで摂るなら5倍近く必要となるわけです。

乳酸菌も(殺菌)となっているものも結構あります。
もともといる腸内細菌の餌として働くのだから
殺菌されていて良いのだそうですし、
活きたまま摂取しても腸内にたどり着くまでには
ほとんどが乳酸菌は死んでいるそうです。
活きたまま腸に届くとうたっているものと
差があるのかもしれませんが、
1種類が元気になっただけでは腸内細菌叢は改善しません。
バランスよい食事が必要な理由です。

もっとも私の場合も、
効果を感じやすいサプリを摂ってみれば
あきらかな体の変化を感じるのですから
正しく機能するものも多いと思っています。

基本は食事で、
足りないことを自覚するならサプリも活用する。
しっかり噛んで体内機能を動かすことも忘れずに。

ただ食事も今は不安がありますよね。
コンビニで売っているほとんどのものには
保存料・ph調整材・メタリン酸Na・リゾチーム
・増粘多糖類など安全性に疑問符が付いてしまうような
成分が書いていないものはないかと探しに探して
唯一見つけたのがセブンのカステラ。
糖分の塊ですけど、昔ながらの製法なのかと思い
ホッとしました。



カラフルあっぷるいーと3.JPG





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2018年07月02日

2018年7月の予定&噛んで食べる意味・第6回消化吸収・スループット

2018年7月の予定&噛んで食べる意味・第6回

まずは7月の予定を書きます。

5日(木曜日)往診休診(学校医会があるため)
9日(月曜日)19時終了
10日(火曜日)19時終了
24日(火曜日)19時終了
27日(金曜日)12:30〜16:30の間はお休み
(今ブログ執筆中の「噛んで食べることの意味」を用い
 中町の「くるみの木」で再度講演をしてきます。
 市報などで参加希望の方のご予約をしています。
 スライドなどで見たい方は問い合わせ先にご連絡ください)
30日(月曜日)19時終了

今月より武蔵野市歯科医師会の理事の1人に襲名しましたので
理事会・役員会が増えます。
時間変更が増えますのでご注意ください。
一応任期は2年間です。
その後も継続となるかは2年後じゃないとわかりません。
遅めの時間を希望される方には申し訳ありませんが
武蔵野市全体を良くするための活動が増えますので
ご協力ください。

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噛んで食べることの意味、第6回目になります。
続きからになりますのでご注意ください。

それでは噛んだら飲み込まなければなりません。
噛み砕き、唾液と混ぜこぜにした食塊を
舌で喉の奥へと送り込みます。
その時、軟口蓋という上あごの軟かい部分が持ち上がり
鼻とのつながる空間を遮断します。
その機能ができなくなった時には
入れ歯を加工したような特殊な装置を
入れて塞げるようにします。

舌の奥も通り過ぎると喉頭蓋(こうとうがい)
というところに行きつきます。
これが食道と気道を分ける仕切りであり、
正しく機能できないと
「誤嚥(ごえん)・誤嚥性肺炎」になります。

喉頭蓋の動きは、舌骨と連動します。
舌骨は下顎骨・舌ともつながっていますが
実は肩甲骨ともつながっています。
肩甲骨で歯科的に一番問題になるのは猫背。
日頃の姿勢で作られた悪い筋肉の癖のせいで
誤嚥しやすい状態になっているということも多い。

猫背というと
背中が丸まっていると思いがちですが、
肩が前に入っている、
顔が前に出ている、
首がなくなったように引っ込んでいる、
など様々なバリエーションがあります。
前肩型の人はとても多いです。

(どう誤嚥するのかをレントゲン像で見てもらうのですが
ここに載せられないのでカットしますが・・・)
誤嚥のパターンは様々あります。その中でも多く見られるのは
喉頭蓋にたまった食塊が一気に食道に流れずに
喉頭蓋に一部残ったままになり、
それを飲み込もうともう一度ゴックンとすることで
喉頭蓋の上に残ったものが流れるよりも早く、
食道に入って留まってしまっている食塊が
引っ張り上げられ気道に流入するというもの。
こういう人には、
食塊がひとまとまりになって流れやすいように、
とろみ付けした食事にした方が良いでしょう。
など、歯科は食べ方の診断をすることもあるんです。

飲み込みに関して、
噛む行為が飲み込みの反射を誘発することも
知っておいてほしい事です。

やる気スイッチともいわれるドーパミン。
不足するとウツやパーキンソン病にも。
行動すればドーパミンが出て「やる気」も上がる。
食事の行動とは・・・噛むことですね。
大脳基底核というところでドーパミンによって
「サブスタンスP」というものが合成されます。
それは咽頭や気管の神経末梢で蓄積されます。
食物を飲み込む刺激でそのサブスタンスPが放出され
嚥下反射が起こる。

つまり
自然にゴックンするのは食べ物を何度も噛んでるから!
なんですね。

肺炎は2016年では死因の第3位に上がってきました。
ガン・心疾患・肺炎・脳血管の順です。
誤嚥性肺炎は肺炎の中の3割を占めます。
だいたい3万4千人の死因です。
全体の死因で見ると誤嚥性肺炎は3%程度ですが
自殺や大動脈瘤・慢性閉塞性肺疾患COPDの倍以上です。

肺炎はもう、他人事じゃない。
元気な今こそ、予防です。
まさに肺炎予防啓発のキャッチコピーそのままです。

さて
今「とろみ剤」は多くの商品が出ています。
商品によって若干の違いがありますから
必要な方は色々試してみてください。
1食600円ぐらいの「あいーと」なんていう
見た目はそのまま、食べるとほろほろ崩れていく
介護食もあります。

普通なら寝かせて食べるなんてダメなんですが、
嚥下力が弱ってきた場合、
MAX30度くらいに寝かせた方が
食べ物を食道に流し込みやすくなります。
ケースバイケースなので
担当歯科医・嚥下療法士などに相談しましょう。

無事に喉頭蓋を通り過ぎれば食道に食べ物が送られます。
蠕動(ぜんどう)運動という筋肉の弛緩・収縮を利用して
胃へと送られていきます。
この蠕動運動のスイッチを入れることも噛むことで起こります。

ここまで、食物を認識してから胃に入るまでの所要時間は
数分の出来事でしたが
ブログでは何回分かかったでしょうか。
この後の消化吸収・排泄の流れは、
胃で約4時間
小腸約6時間
大腸約12〜24時間
で肛門に到達します。

つまり1〜2日程度で食べたものは排泄されます。
遅くても3日でしょう。
自分のウンチの出るスピードって把握していますか?

スループット食材といわれるものがあります。
体内で消化吸収されず、そのまま排泄されます。
そのため摂食嚥下→消化吸収→排泄のサイクルに
どれだけの時間がかかっているか知ることができます。
例えばトウモロコシとか、
そのままの形で出ることもあるでしょう。
ちゃんと咀嚼していないことの証明みたいなものですが。

ボルシチなどに使われる最近流行のビーツや
果肉の赤いドラゴンフルーツなどは
赤色が付くのでわかりやすいです。
気になる方は試してみましょう。
ちなみにクロレラを食べると緑色のウンチが出ます。



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posted by あっぷるいーと いんちょう at 17:38| Comment(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月04日

2018年6月の予定&噛む食事・第5回

2018年6月の予定

15日(金曜)19時終了
16日(土曜)11時30分終了
19日(火曜)午前休診・午後は通常診療
29日(金曜)18時30分終了


16日の土曜日は武蔵野公会堂で
「良い歯のための集い」を開催します。
準備もあり、前日夜と当日早めから出務します。
無料講演会ですし楽しいお話になるのでぜひご参加ください。

Screenshot_20180604-124338.jpg

19日は保健センターで1歳6か月健診の担当です。
人数が多いので、3人体制でも半日がかりになります。

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噛む食事がなぜ必要なのかを紐解く5回目の講座です。

一瞬の出来事ですが、実際は様々な過程を経て
やっと食べ物が口の中に入ります。
とはいえ噛むことの機能はすべて話しきれません。
歯・歯根膜・顎関節・唾液
30回くらい噛もう
食塊形成
味覚
これらの話は普段もよく聞くのではないかと思われるので
今回はこれだけは覚えておいてということに厳選しましょう。

噛むとは、単なる上下の歯の上下運動ではありません。
切断・砕く・すりつぶすなどを複合的に行っています。
歯・歯根膜・顎関節・唾液などの他にも
舌や頬粘膜の動きと、様々な機能をフル活用します。
実際、唇を指などで左右に引っ張ったまま食べるのは難しい。
それは食べ物を歯の上にのせるように頬粘膜が動いているのに
指で引っ張ることでその働きを阻害しているからです。

歯がなければ食べられない、だけではなく
舌が、頬粘膜が動かなければ食べられないわけです。

例えば脳梗塞などで片側顔面麻痺が起こったとしましょう。
その麻痺側はうまく動かせない
=食べ物を歯の上にのせることができない
わけです。
さらに噛む感覚すらもマヒしてしまうと
頬粘膜を噛み切っていることすら気付かない人もいます。

さてテーマの一番の本題はここにあります。
今ある歯の本数でも食べ物の嗜好性は変わってしまうのです。

入れ歯を使っていてもいいので28本分(親知らずなど32本あってもよい)
すべての歯で噛めている人の嗜好傾向を100%とし、
0本の人・10本未満の人・20本未満の人・20〜27本の人とわけて
食べているものチェックをしてみると・・・

穀類・イモ類などのみが28本歯がある人より多く食べている。
特に歯が少なくなるほど多く食べるようになっています。
つまり炭水化物ばかりを多く摂取するようになる。
→噛みやすい飲み込みやすいもので腹を膨らまそうとする。
→高血圧や糖尿病のリスクが高くなりやすい食材が過度に多い。
という結果が出ています。

肉や魚は多少減っているくらいですが
野菜・キノコ・果物はだいぶ減ります。
また歯の本数が少ないほど食べる量も減っています。

栄養成分でいうなら特に歯が減るほど少なくなるのが
「ビタミンB2」
細胞の再生や新生を促し成長させる働きがあります。
レバー・牛乳・塩サバ・納豆・ウナギ・卵などに豊富です。

ね?
歯がなくて、そういう人たちほど食べなくなる食材
ビタミンB2不足のため
細胞が作りかえられない!
グレリンによって成長ホルモンを分泌させる準備が整っても
細胞を作り替える素材がないのでは意味がありません。
以前にも言いましたが、身長などの成長が止まっても、
一生細胞は新しいものに生まれ変わらなければいけません。
成長ホルモンは一生涯必要になりますが、
栄養不足では劣化した細胞のまま過ごす可能性も。

残念ながら、ほとんどの栄養成分で
たった歯1〜8本ないだけでも28本全部ある人より
栄養摂取は劣っています。
それだけでも歯がしっかりあることの意義はあるわけです。
入れ歯・ブリッジ・インプラントでもいいので
28本分(親知らずまで入れれば32本分)の歯があること、
それが直接、栄養摂取状態に関連していることがわかるでしょう。

さて、高齢者対象としてのお話を作っていますから
咀嚼力・嚥下力ということも考えなければいけません。
噛み砕く力・飲み込む力なんて考えて生活したことないでしょう?
健康のうちは良いんです。
ただ知らないと健康ではなくなった時が困る。

例えば食材のカット方法なんて考えたことありますか?
輪切り・いちょう切り・乱切り・千切り・みじん切り・・・
すりつぶして・裏ごしして・ポタージュ上になめらかに・・・
介護食の形態を考えても
普通食・刻み食・ミキサー食、
飲込みが弱っている人にはゼリー食なんて言うのもあります。
(施設によって呼び名も多少変わりますし、できることも変わります)

食べる力がなければ飲み込める形にしなければいけません。
しかし、「じゃぁ最初からミキサー食にすれば世話ないじゃん」
とは言ってくれるな!
廃用性症候群はここにも起きます。
食べられるのに、ミキサー食で済ます日々が長期に及ぶと
食べる機能が失われていきます。
いかに食形態を落とさないようにするか、
病気入院などで落とさざるを得なかったとしても、体力回復とともに
何とか食形態を上げる(普通食に近づける)ことはできないか、
と真剣に考えている介護現場があることも事実。

事件事故があると取り上げるニュースでも
毎日の必死な現状を取り上げることはないでしょう。
施設によって差もあるでしょうけど、
私はまじめに頑張っているところばかりお邪魔するので
何か力になれるようにと考えたくなります。

日本では自宅介護がなければ成り立たない
介護状況というのがあります。
施設も手一杯。
ビジネス参入してくる会社でどこまでしっかりやっているのか
なんてわからないですが、現場は頑張っていると思いたい。
入居できない人たちの大部分は自宅介護になっています。
ちゃんと相談に乗ってくれる在宅医・在宅歯科医・ヘルパー・
ケアマネジャーなどそばにいてくれていますか?
話がそれてしまうので深くは突っ込みません。
けれどささやかな相談でも聞いてくれる人ですか?
聞いちゃ悪い事なんてないです。
ただ、気落ちさせられるような当たり前の現実しか
話せないこともあります。
基本的に在宅医療とは
治すではなく、スローランディング。
苦しまずにゆっくりと、自宅で看取っていけるようにしましょう
というのが前提にあります。
だから治したいなら本人や家族が大きな熱量をもって
チャレンジしていかなければならないんです。
出来たらそんなときに、ちょっとでも支えになる言葉を
発してくれる各分野の専門家がいるとよいのですけれど・・・

本幹から派生する枝葉枝葉でも言いたいことが多すぎて
どんどん話がズレちゃいますね。
今の話は、自らの足でコミュニティセンターなどまで来られて
講演を聞いていられる健康高齢者に対して話しています。
だから悪くならないために気を付けてほしい事を中心に
スライドづくりしたことを活字に変換しつつ
ブログに掲載しているわけですが、
書いているうちに、もっと先のことまで話したくなってしまいます。

続きといきましょう。
噛んで食べることを話していましたね。
噛むことで歯根膜が押され、その刺激が歯髄から脳へ伝わります。
上顎・下顎神経→三叉神経→視床→大脳皮質感覚野という流れです。
つまり噛むことで神経伝達物質のアセチルコリンが
たくさん出ることになります。
それはアルツハイマー型認知症予防として
認知症になりにくくなるといわれます。

噛む回数も時間も減ってきているといわれているのは知っていますか?
弥生時代では1回の食事に4,000回噛み51分かかっていた。
現代平成では1回の食事に620回噛み11分で食事は終わる。
戦前や江戸時代では1,400〜1,500回噛み22分かかっていたそうです。
食品形態の違いもありますが、
いかに噛まなくなったかがうかがい知れますね。

ちなみに余談ではありますが、
「江戸わずらい」って聞いたことありますか?
今で言う「脚気(かっけ)」です。つまりビタミンB1不足。
炭水化物の代謝に重要なビタミンです。
何故それが減ったのでしょう?
実は江戸に暮らす庶民のステータスは
「精製した白米を腹いっぱい食べられること」だったそうです。
その量なんと1日に5合。
おかずはタクワンか味噌汁のいすれかのみ。

そりゃ脚気になります。
それを治そうと湯治に行くと、
地方は精米されていないお米を食べるので
治るのだそう。
だから江戸に入るとなる病気で江戸わずらいだそう。

白米ばかり食べすぎ
&ビタミンB1豊富な食材(玄米・大豆・豚肉・ウナギ)不足。
炭水化物過多で代謝しきれないから起きた病気です。

先ほど1本でも歯を失うと炭水化物を多く食べるようになる
とお話ししましたが、ビタミンB1も足りていますか?
飽食の栄養失調時代といわれている昨今です。
明治末までに毎年6,500〜15,000人脚気で死んでいたといいます。
大正12年26,796人の死者をピークに
1,000人を下回ったのは1950年代後半といいます。
それでも昭和50年ごろからジャンクフードが増え
それに伴って再び脚気も増えてきたといわれます。

平成26年でも、高齢者が食品購入の不自由さから、
副食を食べず白米のみ食べていて、
意識喪失による救急搬送となった。
ビタミンB1投与して改善したため
脚気が原因と思われるという報告もあがっている。
空腹を満たすだけの食事、
食べられるものだけで済ます食事、
栄養バランスの崩れた食事などが原因で
現代でも起こっている病気だということはお忘れなく。

また次回。




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posted by あっぷるいーと いんちょう at 13:13| Comment(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする