2015年02月16日

唾液と舌の話・・・健康教室B

私が担当した、歯つらつ健康教室で話した内容の
続きです。(今回は第3回目の最終回となります)
1回目・2回目を見ていない方はそちらを先にどーぞ。

さて、3連続・連日のブログ更新となりましたので、
久々に来られたブックマークしていただいている方々は
戸惑っておられるかもしれませんね。
とりあえず、次回更新は3月の予定&駄文となるでしょう。
ドラム発表の結果報告とともにお送りできればと思います。
なのでそれまでは、練習させて・・・
ということもあり、書いちゃアップ、書いちゃアップ、
となりました。
読むほうも大変でしょうが、
できれば3連続で一気に読んでください。

―――――――――――――――――――――――――――

それでは、このまま舌の話にも進みましょう。
最近、健康番組・医療系のテレビでは
唾液を出すために舌を動かそうと言っていますが・・・

舌を動かす意味を考える前に、
まず舌の働きを知ってください。

舌の機能の代表的なものは4つ。

1:味覚
2:発音
この2つは皆さんもご理解できるでしょう。
味を感じる、言葉を話す、に舌は不可欠です。

先ほど唾液の話をしたときにも出てきました、
味覚も唾液を出すためのスイッチの1つです。
また、発音つまり会話などは、
お口の周囲の筋肉をフル活用して行うので、
口内環境を守ることにもつながります。

3:咀嚼(そしゃく)
食べ物を歯の上に乗せたり、
左右の歯に乗せ換えたりすることで
歯で噛み砕けるようにサポートしています。
そして・・・
4:嚥下(えんげ)
歯で噛み砕き、唾液と混ぜて軟らかくしたものを
舌が喉の奥に運び、ゴクリと飲み込む。

人間の身体は食べたもので作られています。
舌は生きるために必要なものです。

そんな舌に、SOSのサインが現れることがあります。

たとえば、本当に高齢者に多い
「会話をしない日」が頻繁に起これば、
「食事以外で口を使うことがない日」が増える、ともいえます。
当然、唾液は出にくくなるので
「入れ歯を入れると痛い」と感じ(潤滑されないので)、
はずしてしまいます。

その食事でも、
噛む所が少なくなった状態で食事をする場合、
入れ歯も入れないのでは噛み砕くこともできず、
丸飲みに近い状態となります。
アミラーゼもリゾチームもラクトペルオキシダーゼも
ほとんど出ない状態での丸飲みですから
胃腸にも負担をかけますし、
今回お話しすることはできませんでしたが
消化吸収のスイッチも『噛むこと』なんです。
そのスイッチも押されないで、胃に取り込んでも、
ほとんどそのまま便として流れ出てしまいます。
体力的に弱っているといえます。

その状態で黙っていると、
精神的・肉体的ストレスが増します。
そして多くの方は「くいしばっている」。
残った歯にとっては負担過重。
もっと唾液が出てきません。

『舌の横のフチ、ボコボコに歯形がついている』
(歯があればですが)
そんな人は、本当に強く「くいしばって」います。

そしてもう1つ。

舌を上顎(うわあご)につけて、舌裏を見てください。
『黒くボコボコした血管が浮き出ている』
本来はピンク色が健康状態です。
多少、黒いくらいならそんなに心配はいりませんが、
その黒さや太さが増すと、
昔、流行ったドロドロ血の状態。
口を動かさないから、「血液の巡りが悪くなっている」。
もっともこれは、体中の血液の巡りも悪くなっていると
考えられるということでもあります。

栄養が足りていない、水分が足りていない、
その方の状態を総合的に見て総合的に判断することですが、
そういうSOSサインだということです。

特に覚えておいてほしい2つのSOSサインですので、
意識してみてください。

そんな、口を動かす機会が極端に少ない人には、
口を動かす機会を作ることが必須になってきます。

しかし口を動かすといっても、
アウアウとちょびっと動かすだけでは意味ないですし、
無理に大きく開けることでアゴの関節が外れても困ります。

そこで、舌の運動が大切になってきます。

舌は、下顎(したあご)だけでなく、
首のほうや、上の方にも筋肉がつながっています。
舌をしっかり動かす運動をすることで、
お口のまわりの関係してくる筋肉をほぐし
日常でちゃんと会話している人の筋肉と
同等に近い状態にできます。

そういう意味で、舌の運動を活用してください。

舌の運動だけでなく、声に出して歌うこともいい。
1人でもできることはいろいろあります。

最近では、健康番組だけでなく、
歯科や耳鼻咽喉科などの先生も
しっかり舌を動かせば唾液が出てくるようになるから、
と言ってしまうことがありますが、
舌が動くことで出てくる唾液は「舌下腺」という
3大唾液腺の1つが主です。

しかし、3大唾液腺から出る割合は、
耳下腺  約25%
顎下腺  約70%
舌下腺  約5%
です。

だから「しっかり続けないと出ないから」
という言葉で終わってしまうことがあるんです。

舌を運動しても直接唾液は少量しか出ませんが、
舌を含めた「お口全体」を動かさない習慣が
当たり前となっていると、唾液は出にくくなります。

これも先ほど述べた、牛の搾乳をする手のように、
唾液腺を刺激するのは周囲の筋肉だからです。

歯がないから食べない・丸飲みする。
それじゃ唾液は出ません。
「くいしばり」や「会話もしない生活」では、
口の周りの筋肉もこわばります。

『歯を守る』ことで唾液を出す。
『お口の周りの筋肉をほぐすため舌を動かす』。
身体の健康を守るのは、
お口が健やかである『健口』
(歯科や行政の用いる造語ではありますが)
が、大切なんです。


―――――――――――――――――――――――――――

という内容のお話でした。
本番当日は、このような文章にせず、
スライドに軽くメモを添える程度でお話ししたため、
言葉としてどれだけ伝えられたでしょうか?

まぁ、それなりに、好評だったようですし、
センターの衛生士さんも喜んでいたので、
成功だったのではないかと思われます。

ちなみにその後、センターの衛生士さんによる
・咀嚼筋や嚥下運動の模型を用いた講話
・お菓子を用いた摂食・嚥下の体験
・舌や表情筋、手や指の運動
・歌唱によるお口周囲の筋肉の活用
なども行われ、
全部で1時間30分ほどの
『歯つらつ健康教室』となりました。

衛生士さんのコーナーは私にとっても勉強になったので、
きっと皆さんにとっても役立つことでしょう。

武蔵野市では、
毎年3回の募集があり、
全6回講習で行われています。
お時間のかかることですから
お気軽にとは言いにくいですが、
よろしければぜひご参加ください。


カラフルあっぷるいーと3.JPG







posted by あっぷるいーと いんちょう at 03:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月15日

唾液と舌の話・・・健康教室A

私が担当した、歯つらつ健康教室で話した内容の
続きです。(今回は第2回目の内容となります)
1回目を見ていない方はそちらを先にどーぞ。


先に余談を、
本日2月15日は宮地楽器教室バンドリハの日。
原曲上はフェードアウトで終わるところをどうするか、
なんかを決めたり、
最初で最後のメンバー勢揃い(次は本番で)なので
実力のほどが初めてわかる時。

1曲40分近く繰り返されるのだが、
ドラムの場合、
ゴダイゴのモンキーマジックなんかは
レッドツェッペリンの移民の歌と
同じフレーズを繰り返すものだから、
リキんじゃうと足がツリそうになったり、
体力消耗したりで、結構グッタリです。

風も強く砂舞い散るものだから、
目や車内にも飛び込んでこられちゃって。

まぁそれでも、
ベースの先生に去年より良くなったねぇと言われたり、
他の上手いメンバーから
新宿でビッグバンドあるんだけど来ない?
と勧誘されたり(これ以上やりきれないので断っちゃったけど)
なんていう嬉しい言葉ももらえたので、
結果良い日でした。

とりあえず今回のシリーズブログは、
今月内に終わらせなくちゃいけないし、
何年後になるかわからないけれど
私の任期が終了した後に引き継ぐであろう先生にも
わかるようにスライドの原稿をあげたいので
同時進行で書いているようなものです。
だから講演した時の記憶が薄らぐ前に書きあげねば。

バンドの本番まで2週間。
ビッグバンドの練習もあるし、
委員会もあるし、
記憶が上書きされる前に書かねば!
(ここのところ、本来の趣旨から離れたブログしか
 書けていなかったのでちょうどイイしね。)

継ぎ足しもあるので今回でも終了できていません。
では本編です。

-----------------------------------

だから、唾液が減ると・・・

・潤いがないから口が渇く
・滑らないから傷つきやすく、口内炎もできる
・飲み込みにくくなり、むせる
・汚れが流れないから歯垢がベッタリ
・口臭がする
・中和されないから刺激物がダメになる
・消化不良
・殺菌されないから風邪をひき易くもなる
・歯周病になる
・再石灰化しないので虫歯になる
・味覚が狂いご飯が不味い
・口の中が苦い
・脳や胃腸などの全身への影響
・癌や血管などの生命への影響

などなど、いろんなリスクが起こります。

ではどうすればよいか?

・・・それは唾液の出る仕組みを正すことです。

たとえば「梅干し」を連想するだけで
唾液が出ることがあります。
その秘密は脳の中にあります。

唾液が出るためには、脳の『唾液核』という
唾液を出す司令塔のスイッチを押すことです。

美味しそうなものを見ることで視覚中枢を介して、
美味しそうな香りを嗅ぐことで嗅覚中枢を介して、
美味しいものを味わうことで味覚を介して、
『唾液核』のスイッチを押すことができます。

しかしもっと直接的にこのスイッチを押すものがあります。

最強のスイッチは『歯』にあります。

歯の神経というと、
虫歯の時に痛んだり、
感染すると取りましょうと言われてしまう、
歯髄を思い浮かべるでしょう。

しかしここでいう神経とは、
歯と骨をつなぐ部分にある
『歯根膜の中にある神経』のことです。

歯は親知らずを含めると、32本あります。
1つ1つの歯に対応した脳細胞が存在します。
つまり32個の脳細胞が唾液を出すスイッチとなるのです。

歯があって噛むという行為をすることで、
唾液が出る!

さらに咬む行為で使う筋肉は、
まるで牛の搾乳をする手のように、
3大唾液腺を刺激します。

結論は
『歯を失わないこと』です。
そのためには、歯を失う原因を早く治すこと。
歯が元気でいられる口内環境を作りましょう。

汚れると細菌感染します。
また、
歯を1本失うとその負担は他の歯が代替します。
失った部分を補うように、顎や舌の動きも変化します。
歯並びが悪いと過重バランスが悪くなり、
それもまた負担となります。

過重負担の原因ともなる、
猫背や歯ぎしり・くいしばりなどの悪癖も
直す努力が必要です。

逆に、「今日誰とも会話してない」なんていう方も
口内環境にとっては悪いです。
使わない機能は退化していきます。
精神的にも負担となれば
それを補うために肉体的にも負担となります。
それが様々な病気の要因として必ずあげられる
『ストレス』です。


それでは、このまま舌の話にも進みましょう。
最近、健康番組・医療系のテレビでは
唾液を出すために舌を動かそうと言っていますが・・・

-------------------------------------------

ということで、せっかくなのでひっぱります。
(話の切れ目ではあるので)

ついでに、ここまでの内容で出た質問に関して、
気になるものがあったので述べておきます。

「歯を失うと顎がズレるんですか?」
という質問に私はこう答えました。

人は2本足で立っています。
もし右足を大地に触れないように立つと、
人はバランスをとるために、
左足1本で立てるように重心を移動させます。
これが顎がズレる正体です。

せっかくなので続けてみましょう。

さらにそのまま左足1本のまま立ってみましょう。
バランスを崩しだし、グラグラしてきます。
重心が不安定になりやすい状態だからです。
これが、どこで噛んでいいか、わからなくなっている状態。

さらに我慢して左足1本で立っていましょう。
左足の筋肉が疲れてプルプルしてきます。
これが咬み合わせのバランスが悪くておこる偏頭痛とか。

それでもまだ我慢して左足1本で立っていましょう。
左足の感覚がなくなってきます。
血の巡りが悪くなり、ツライことさえ感じなくなります。
その状態の時間が長くなれば骨も変形してきます。
はい、顎関節症(レベル4の最終段階)の出来上がりです。


・・・伝わるでしょうか?
唐突に出た質問でしたが、
比較的わかりやすいんじゃないかなぁ?
と思ってやってみたのですが。
(スライドとか用意しておけばよいのですが、
 見せることができない状態で、何人もに
 知ってもらえるようにするって、結構難しい。)

まぁ、さらに顎関節症の話までしたいところではありますが、
決められた講演時間という制限があるしねぇ。
という、苦肉の策でした。


それでは次回をお待ちあれ。
(今のところ次回完結予定です)


カラフルあっぷるいーと3.JPG





posted by あっぷるいーと いんちょう at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月14日

唾液と舌のお話・・・健康教室@

2月13日の午前中に行った「歯つらつ健康教室」。
保健センターの衛生士さんが中心となって進める
予約制の市民向け講座ですが、
歯科医師会の私の所属する1つの委員会のお仕事として
講演しなければなりません。

全6回ある中で、私に与えられたのは、
第3回目のスライド講演「唾液と舌の話」。
ただし、全体の進行上の都合があり、
与えられた持ち時間は15分〜20分。

まぁ、歯科に関することであれば、
些細な内容であっても2〜3時間は楽に話せるだけの
内容を持っているだけに、どこを要約して、
どの様にわかりやすくするのか、
どんなスライドを作るか、
ある程度の概要は、所属する委員会での会議で
決定していましたが、
話しやすくするために演者が構成し直すことができます。

凝り性ですから、私。
当然、あーだこーだと考えてスライドを作りました。

まぁ、持って行ったPCと、
スクリーンに投影するケーブルが合わない、
なんていうトラブルもありましたが、
無事に終わり、参加者の方々も喜んでくれたので、
よかったです。

できるだけ、今までブログにも書いたことのない内容で
構成したかったので、結構頑張りました。
歯つらつ健康教室に来てくれた人にしか教えないというのも
アリではあるんですが・・・
まぁ、まだまだネタはありますし、
歯つらつ健康教室で言いそびれたこともあるので、
今回は特別公開しましょう。
ただし、スライドは無断使用の写真があり
著作権の関係上公開できませんので、
私が話した内容だけで成立させましょう。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

まずは『唾液』のお話です。

だえき・つば・よだれ、
呼び名は変われど、皆同じものです。
それでは、1日にどのぐらい唾液が出るかご存知ですか?

正解は1.5リットル。

これはコンビニで市販されている清涼飲料水のペットボトルで
2番目に大きいサイズと同じです。

実はこの1日1.5リットルという数字。
他にも重要なことがあります。
それは・・・
1日にする「おしっこ」の量と同じです。

1回に200ml程度の量なら8回。
1回に400ml程度の量なら4回。
これくらい「おしっこ」するのが健常です。

これより少ないならば、水分不足。
・・・脱水状態にあるかもしれません。
お口のためにも気を付けましょう。

だって、唾液の99.5%は『水分』です。

・水分だからこそお口の中が潤います。
・水分だからこそ歯や入れ歯など硬いものがあっても
舌や唇などが擦れずに済みます。
・水分だからこそご飯を噛んで混ざり
軟らかくして飲み込みやすくできます。
・水分だからこそ汚れが残らず清潔にしてくれます。
・水分だからこそ熱い辛い苦いだの刺激を中和してくれます。

唾液にはさらに『成分』も含まれています。
代表的なものとして、3つ覚えておいてください。

1:お米やパンなどのデンプンを消化して糖に変えます。
  消化酵素のアミラーゼというものの働きです。
  糖というと、虫歯だとか糖尿病だとかって、
  敬遠されがちな言葉に聞こえるかもしれませんが、
  脳の唯一の栄養となるのは糖です。
  受験生にとっても重要。高齢者になっても重要。
  脳を使う、脳の衰えを防ぐ、必要量は絶対食べましょう。

2:殺菌成分リゾチーム。
  これは市販の風邪薬の成分として箱書きで目にしたことが
ある方もいるかもしれませんね。
  殺菌効果があるので
お口の中で細菌を繁殖しにくくしてくれます。
  実は他にも免疫抗体IgAとかもあるんです。

3:歯は食事をするたび溶けています。
  それを、食事をしていない時間に
溶けたカルシウムを元の歯に戻す働きをします。
それが再石灰化。
スタテチンという成分も活躍しています。


さて、『成分』を含んだ『水分』というと、
思い浮かべませんか?

まるで、天然温泉のようでしょう。

なので同じように、唾液にも『効能』があるんです。

1:味覚を敏感にしてくれます。
ガスチンという成分の働きです。
2:脳の神経修復を行います。
NGFという神経成長因子があります。
3:発癌物質を減弱します。
ラクトペルオキシダーゼの働きです。
4:胃腸などの粘膜保護や血管強化もされます。
  EGFという表皮成長因子の作用です。


だから、唾液が減ると・・・

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

活字にすると恐ろしく長いですね。

よくこんなことを15分で話せたよ、と思います。
自分で何度かリハーサルをしたときは、
最長24分、最短で17分だったんですけれど。
本番はスライドあと1枚というところで13分。
ゆとりをもって15分で話を終えたのですが。

書くほうが時間がかかります。
仕方ないので、何回かに分けましょう。

今回はここまでにします。

興味を持たれたら、年に3回募集があるはずなので、
武蔵野市の「歯つらつ健康教室」というイベントに
参加してみてください。

最低でも私は今年度と次年度のあと5回は講演します。



カラフルあっぷるいーと3.JPG




posted by あっぷるいーと いんちょう at 03:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする