2015年02月15日

唾液と舌の話・・・健康教室A

私が担当した、歯つらつ健康教室で話した内容の
続きです。(今回は第2回目の内容となります)
1回目を見ていない方はそちらを先にどーぞ。


先に余談を、
本日2月15日は宮地楽器教室バンドリハの日。
原曲上はフェードアウトで終わるところをどうするか、
なんかを決めたり、
最初で最後のメンバー勢揃い(次は本番で)なので
実力のほどが初めてわかる時。

1曲40分近く繰り返されるのだが、
ドラムの場合、
ゴダイゴのモンキーマジックなんかは
レッドツェッペリンの移民の歌と
同じフレーズを繰り返すものだから、
リキんじゃうと足がツリそうになったり、
体力消耗したりで、結構グッタリです。

風も強く砂舞い散るものだから、
目や車内にも飛び込んでこられちゃって。

まぁそれでも、
ベースの先生に去年より良くなったねぇと言われたり、
他の上手いメンバーから
新宿でビッグバンドあるんだけど来ない?
と勧誘されたり(これ以上やりきれないので断っちゃったけど)
なんていう嬉しい言葉ももらえたので、
結果良い日でした。

とりあえず今回のシリーズブログは、
今月内に終わらせなくちゃいけないし、
何年後になるかわからないけれど
私の任期が終了した後に引き継ぐであろう先生にも
わかるようにスライドの原稿をあげたいので
同時進行で書いているようなものです。
だから講演した時の記憶が薄らぐ前に書きあげねば。

バンドの本番まで2週間。
ビッグバンドの練習もあるし、
委員会もあるし、
記憶が上書きされる前に書かねば!
(ここのところ、本来の趣旨から離れたブログしか
 書けていなかったのでちょうどイイしね。)

継ぎ足しもあるので今回でも終了できていません。
では本編です。

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だから、唾液が減ると・・・

・潤いがないから口が渇く
・滑らないから傷つきやすく、口内炎もできる
・飲み込みにくくなり、むせる
・汚れが流れないから歯垢がベッタリ
・口臭がする
・中和されないから刺激物がダメになる
・消化不良
・殺菌されないから風邪をひき易くもなる
・歯周病になる
・再石灰化しないので虫歯になる
・味覚が狂いご飯が不味い
・口の中が苦い
・脳や胃腸などの全身への影響
・癌や血管などの生命への影響

などなど、いろんなリスクが起こります。

ではどうすればよいか?

・・・それは唾液の出る仕組みを正すことです。

たとえば「梅干し」を連想するだけで
唾液が出ることがあります。
その秘密は脳の中にあります。

唾液が出るためには、脳の『唾液核』という
唾液を出す司令塔のスイッチを押すことです。

美味しそうなものを見ることで視覚中枢を介して、
美味しそうな香りを嗅ぐことで嗅覚中枢を介して、
美味しいものを味わうことで味覚を介して、
『唾液核』のスイッチを押すことができます。

しかしもっと直接的にこのスイッチを押すものがあります。

最強のスイッチは『歯』にあります。

歯の神経というと、
虫歯の時に痛んだり、
感染すると取りましょうと言われてしまう、
歯髄を思い浮かべるでしょう。

しかしここでいう神経とは、
歯と骨をつなぐ部分にある
『歯根膜の中にある神経』のことです。

歯は親知らずを含めると、32本あります。
1つ1つの歯に対応した脳細胞が存在します。
つまり32個の脳細胞が唾液を出すスイッチとなるのです。

歯があって噛むという行為をすることで、
唾液が出る!

さらに咬む行為で使う筋肉は、
まるで牛の搾乳をする手のように、
3大唾液腺を刺激します。

結論は
『歯を失わないこと』です。
そのためには、歯を失う原因を早く治すこと。
歯が元気でいられる口内環境を作りましょう。

汚れると細菌感染します。
また、
歯を1本失うとその負担は他の歯が代替します。
失った部分を補うように、顎や舌の動きも変化します。
歯並びが悪いと過重バランスが悪くなり、
それもまた負担となります。

過重負担の原因ともなる、
猫背や歯ぎしり・くいしばりなどの悪癖も
直す努力が必要です。

逆に、「今日誰とも会話してない」なんていう方も
口内環境にとっては悪いです。
使わない機能は退化していきます。
精神的にも負担となれば
それを補うために肉体的にも負担となります。
それが様々な病気の要因として必ずあげられる
『ストレス』です。


それでは、このまま舌の話にも進みましょう。
最近、健康番組・医療系のテレビでは
唾液を出すために舌を動かそうと言っていますが・・・

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ということで、せっかくなのでひっぱります。
(話の切れ目ではあるので)

ついでに、ここまでの内容で出た質問に関して、
気になるものがあったので述べておきます。

「歯を失うと顎がズレるんですか?」
という質問に私はこう答えました。

人は2本足で立っています。
もし右足を大地に触れないように立つと、
人はバランスをとるために、
左足1本で立てるように重心を移動させます。
これが顎がズレる正体です。

せっかくなので続けてみましょう。

さらにそのまま左足1本のまま立ってみましょう。
バランスを崩しだし、グラグラしてきます。
重心が不安定になりやすい状態だからです。
これが、どこで噛んでいいか、わからなくなっている状態。

さらに我慢して左足1本で立っていましょう。
左足の筋肉が疲れてプルプルしてきます。
これが咬み合わせのバランスが悪くておこる偏頭痛とか。

それでもまだ我慢して左足1本で立っていましょう。
左足の感覚がなくなってきます。
血の巡りが悪くなり、ツライことさえ感じなくなります。
その状態の時間が長くなれば骨も変形してきます。
はい、顎関節症(レベル4の最終段階)の出来上がりです。


・・・伝わるでしょうか?
唐突に出た質問でしたが、
比較的わかりやすいんじゃないかなぁ?
と思ってやってみたのですが。
(スライドとか用意しておけばよいのですが、
 見せることができない状態で、何人もに
 知ってもらえるようにするって、結構難しい。)

まぁ、さらに顎関節症の話までしたいところではありますが、
決められた講演時間という制限があるしねぇ。
という、苦肉の策でした。


それでは次回をお待ちあれ。
(今のところ次回完結予定です)


カラフルあっぷるいーと3.JPG





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2015年02月14日

唾液と舌のお話・・・健康教室@

2月13日の午前中に行った「歯つらつ健康教室」。
保健センターの衛生士さんが中心となって進める
予約制の市民向け講座ですが、
歯科医師会の私の所属する1つの委員会のお仕事として
講演しなければなりません。

全6回ある中で、私に与えられたのは、
第3回目のスライド講演「唾液と舌の話」。
ただし、全体の進行上の都合があり、
与えられた持ち時間は15分〜20分。

まぁ、歯科に関することであれば、
些細な内容であっても2〜3時間は楽に話せるだけの
内容を持っているだけに、どこを要約して、
どの様にわかりやすくするのか、
どんなスライドを作るか、
ある程度の概要は、所属する委員会での会議で
決定していましたが、
話しやすくするために演者が構成し直すことができます。

凝り性ですから、私。
当然、あーだこーだと考えてスライドを作りました。

まぁ、持って行ったPCと、
スクリーンに投影するケーブルが合わない、
なんていうトラブルもありましたが、
無事に終わり、参加者の方々も喜んでくれたので、
よかったです。

できるだけ、今までブログにも書いたことのない内容で
構成したかったので、結構頑張りました。
歯つらつ健康教室に来てくれた人にしか教えないというのも
アリではあるんですが・・・
まぁ、まだまだネタはありますし、
歯つらつ健康教室で言いそびれたこともあるので、
今回は特別公開しましょう。
ただし、スライドは無断使用の写真があり
著作権の関係上公開できませんので、
私が話した内容だけで成立させましょう。

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まずは『唾液』のお話です。

だえき・つば・よだれ、
呼び名は変われど、皆同じものです。
それでは、1日にどのぐらい唾液が出るかご存知ですか?

正解は1.5リットル。

これはコンビニで市販されている清涼飲料水のペットボトルで
2番目に大きいサイズと同じです。

実はこの1日1.5リットルという数字。
他にも重要なことがあります。
それは・・・
1日にする「おしっこ」の量と同じです。

1回に200ml程度の量なら8回。
1回に400ml程度の量なら4回。
これくらい「おしっこ」するのが健常です。

これより少ないならば、水分不足。
・・・脱水状態にあるかもしれません。
お口のためにも気を付けましょう。

だって、唾液の99.5%は『水分』です。

・水分だからこそお口の中が潤います。
・水分だからこそ歯や入れ歯など硬いものがあっても
舌や唇などが擦れずに済みます。
・水分だからこそご飯を噛んで混ざり
軟らかくして飲み込みやすくできます。
・水分だからこそ汚れが残らず清潔にしてくれます。
・水分だからこそ熱い辛い苦いだの刺激を中和してくれます。

唾液にはさらに『成分』も含まれています。
代表的なものとして、3つ覚えておいてください。

1:お米やパンなどのデンプンを消化して糖に変えます。
  消化酵素のアミラーゼというものの働きです。
  糖というと、虫歯だとか糖尿病だとかって、
  敬遠されがちな言葉に聞こえるかもしれませんが、
  脳の唯一の栄養となるのは糖です。
  受験生にとっても重要。高齢者になっても重要。
  脳を使う、脳の衰えを防ぐ、必要量は絶対食べましょう。

2:殺菌成分リゾチーム。
  これは市販の風邪薬の成分として箱書きで目にしたことが
ある方もいるかもしれませんね。
  殺菌効果があるので
お口の中で細菌を繁殖しにくくしてくれます。
  実は他にも免疫抗体IgAとかもあるんです。

3:歯は食事をするたび溶けています。
  それを、食事をしていない時間に
溶けたカルシウムを元の歯に戻す働きをします。
それが再石灰化。
スタテチンという成分も活躍しています。


さて、『成分』を含んだ『水分』というと、
思い浮かべませんか?

まるで、天然温泉のようでしょう。

なので同じように、唾液にも『効能』があるんです。

1:味覚を敏感にしてくれます。
ガスチンという成分の働きです。
2:脳の神経修復を行います。
NGFという神経成長因子があります。
3:発癌物質を減弱します。
ラクトペルオキシダーゼの働きです。
4:胃腸などの粘膜保護や血管強化もされます。
  EGFという表皮成長因子の作用です。


だから、唾液が減ると・・・

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活字にすると恐ろしく長いですね。

よくこんなことを15分で話せたよ、と思います。
自分で何度かリハーサルをしたときは、
最長24分、最短で17分だったんですけれど。
本番はスライドあと1枚というところで13分。
ゆとりをもって15分で話を終えたのですが。

書くほうが時間がかかります。
仕方ないので、何回かに分けましょう。

今回はここまでにします。

興味を持たれたら、年に3回募集があるはずなので、
武蔵野市の「歯つらつ健康教室」というイベントに
参加してみてください。

最低でも私は今年度と次年度のあと5回は講演します。



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2014年10月31日

障害児施設へお邪魔して

なかなか書く時間がとれないまま
今月も終わろうとしています。
最近、歯科の事、書けてませんもんねぇ。
いろいろネタはあるのだが・・・

そこで今日体験してきたことを書きましょう。
10月の予定でも書きましたが、
30日は歯科医師会役員としてのお仕事で、
障害児施設へ訪問して、
食事風景や歯の状態を見させてもらい、
施設スタッフや御家庭へ
フィードバック出来るような
歯科医師目線からのアドバイスをすること
を目的とした活動をしていました。

ちなみに
今日は3才〜6才の小学校入学前の
可愛いお子さまたち。

高齢者施設で言うならデイケアやデイサービスに
あたる時間帯なんですが、
こういうところでは何と言うのでしょうか?
様々な市の活動について、勉強不足な状態です。

ちなみに障害児の歯科治療の経験なら
豊富とは言えないまでも、それなりにはあります。
親御さんと共に通院できる子供であれば、
大抵の治療は可能でしょう。

どちらかと言うと大変苦戦を強いられるのは、
成人になっていらっしゃる重度障害がある方で、
意思疏通が難しいけれど、1人で通院される場合、
問診による病状悪化の経緯が計れず、
場合によってはレントゲンもとれず、
どんな薬を飲んでいるかもわからず、
かといって、
軽い処置で変化をみることも意思疏通ができないと困難、
極端な処置にすれば症状は改善できるが、
できるだけ元の状況に近い改善をさせたいという理想や、
将来的に長持ちしやすい状態の構築を目指す治療とは
かけ離れてしまう可能性も出てきてしまいます。
結構難しいんです。

たまに人に話すと、笑い話扱いになってしまいますが、
成人の方でパーキンソンを患い
常に一定のリズムで頭を左右に振る方の治療をしたときです。
強引にその頭を固定しようとすると、
悲鳴のような叫びをあげ、手足までバタつかせますし、
首振りの力も強烈で支える男の手ですら難しい。
その首振りのリズムと範囲に合わせて、
私自身の肩から手までを動かしつつ、
視界はぶれないように、ミラーも回転させ、
自分の体幹はいっさい動かさない。
使う道具はみんなと同じタービンです。
曲芸じみてますが、
武道と楽器の経験と歯科医師としての経験、
そしてその患者さんを不安に感じさせないことに配慮した
首振り行為の容認によって、
そのリズムが狂うことが最低限で済んだ事による幸運
もあったと言えるでしょうか。
ちなみに1回の治療で済むはずもない多量虫歯。
同じ状況のまま何回もやったわけです。
油断できないのは、パッと見同じことが起きているからといって
同じとは言えないということ。
1本1本の歯、どこをやるかによって、私の体勢や角度は異なり、
患者さんだって、その時の心境や来院までに何をしていたかによって、
首の振り方も変化します。
端で聞けば、苦労話や笑い話でいいでしょうけど、
こっちとしては、現状把握、あらゆる事態の想定と対応、
予期せぬ行動に出た場合の反射的防衛策、最善の治療法、
等を考えた上で、
患部の歯への集中、首振りのリズムと範囲への警戒、
手足などの予期せぬ行動に出るサインがないかのチェック、
などリアルタイムで感じていなければならないので、
たぶん他の人が見たこともないオーラを出しまくっているかも?

人差し指がピクッと動くだけで、
警戒体制をとれるようにしなければいけない訳です。
そんなに苦労するなら大学病院に送れば・・・
ある意味全うな意見ですが、
人員があり拘束具がある所で、
心因性の恐怖感をあおってでも、歯の治療が優先されるべき、
というのは最終手段だと思っています。

よく「くいしばり」のことを書きますが
障害者ほど顕著に強烈なくいしばり跡があります。
それだけ歯のダメージが大きく、
肉体的にも精神的にも影響を受けていると想像できます。
病気のせいで歯に甚大な被害が及ぼされ、
その歯のせいで、病気を更に悪化させたり、
他の症状が現れるきっかけとなります。

あっぷるいーと吉祥寺歯科に、
噛み合わせ、くいしばり、顎関節症、ドライマウス、小児矯正、
などを主訴として御来院された方はわかるでしょうが、
御自分の気付かない癖が歯に影響を及ぼしている状況が、
理解はできても、簡単には改善できないでしょう。
それだけ身体に染み込んだ悪癖を取るのは大変です。

健常者でも、一朝一夕にはできないことを、
話の理解もできず、異常なくらいのくいしばりを
日常茶飯事に行う障害者に求めることは難しく、
100ある力を、
健常者なら70、50、目指すは0、だとするなら、
重度の障害者は99でも98でもいいから下げてあげる
ことを目指すと言えることも多いです。


だからこそ、悪癖が重篤化し、抜けなくなる「前」の、
子供の時期から、ちゃんとアプローチしていきたい。

食べることにも不安がある状況を改善し、
更にその先まで・・・
とても1回でできることではないんですが、
できることはしたいわけです。

現時点では、
この小学校入学前の時期までの最低限のフォローアップと、
義務教育が過ぎて、成人と呼ばれる前後の時期以降への、
フォローしかできていません。
そういう子供たちを受け入れる学校の中へは、
歯科医師会としてフォローする状況にはないので、
大丈夫なのか、手伝う必要はないのかなどを、
市から確認してほしいとお願いしている最中。

また、こういう施設へも
もっと積極的に参加できた方が良いのだが・・・
親御さんや行政や、様々なことを1つ1つクリアして
いかなければならないので、まだ小さな一歩ですが。

特に今回お邪魔した施設は、
理事長先生からして尊敬できる人物だと思いました。
田舎のおばあちゃんを思い出すような温かさと、
子供たちの将来を考えた校長先生のような触れ合いと、
こういうお仕事ですから、どんなに経験を積み重ねようと
毎日が一歩一歩手探りでしょうけど、
それを真摯に受け止めて何をしてあげられるだろうかと
行動している意欲を感じました。


社会福祉の一環であり、
その中でのたったヒトコマの経験ではありますが、
もどかしくて歯がゆい。
こういう理事長や各スタッフのもとで、
歯科医師として、
もっと積極的に参加して、一緒に子供たちを見守れないかなぁ。



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posted by あっぷるいーと いんちょう at 01:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする