2020年08月01日

2020年8月の予定&顎関節症講演5回目の最終回

2020年8月の予定

4日(火)19:00終了
9日(日)〜16日(日)お盆休み
25日(火)19:00終了

また
20日(木)歯科医師会事業のため往診も休診
27日(木)学校健診(予定)のため往診も休診
とさせていただきます。


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皆様、筋肉は衰えていませんか?
元気であればいつかは普段の日常になる。
その時は、ちょっと優しさのお裾分けができる
思いやりの世界になっていてほしいものです。

半年かけてネタにした
私が話してきた顎関節症の講演も
今回でやっと最終回です。

顎関節症とは「こうすれば治る」という
治療法が確立されていない病気です。
これまで話してきた内容を振り返ってもらえば
歯周病が根本原因だったり、
歯並びのせいだったり、
食べ方の問題だったり、
姿勢の悪さからの影響だったり、
骨格的なダメージから付随して起こる問題だったり、
筋肉的な歪みだったり、
と多岐にわたることがご理解いただけたのではないでしょうか。

ウチも「歯医者さんに来て身体のいろいろな事の
治し方を教えてもらうとは思ってもみませんでした」と
感謝の言葉を頂くこともありますが、
そこまでの原因を変えていかなければ治せないだけです。

近年では歯科医師会の絡みで医師会、薬剤師会のみならず
柔道整復師会、助産師会とも連携を深めようとしている関係で
柔道整復師的な顎関節症のアプローチと
歯科医師的な顎関節症のアプローチの相互理解を深め合おうと
学び合いの場を作ろうと動いていたりもします。
餅は餅屋の言葉通り、連携を取って良くしていければと思います。
まぁ、コロナの影響で大変なんですが。

歯科的なアプローチとしては
唯一の保険診療にあたるマウスピース(スプリント療法)に関して
まだお話ししていないことはお気づきでしょうか?
気付いておられる方は「顎関節症でお悩みの方でしょうか?」

前回でいったん話を切ったのは、
この話をちゃんとするかどうか迷ったからです。
講演的には1ページのスライドでサラッと済ませてしまいました。
それほどウチとしての治療法において
おすすめした方が良い状態の人が少ないからなのですが、
世間一般としての治療法では「あたりまえ」のやり方です。

なので、今回はしっかり書いてみようと思います。

まず先に
猫背・奥噛み・くいしばり・歯ぎしり
は単体の症状ではありますが、顎関節症の方にも多く見られます。
顎関節症の原因になっているほうが多いくらいです。

そのため、どれも特徴的な歯のすり減りが見られます。

残念ながらどの歯がどのような状況ですり減っているのかを
判断することで、4つのどれに当てはまるかが予想できるのですが、
だいたい歯ぎしり扱いにされることは多いでしょう。

基本的に患者さんが「顎が痛い」と言われなければ
顎関節症と診断されないこともほとんど。
それに絡めて自覚症状も訴えない患者さん相手に
顎関節症注意を促す歯科医師もそんなにはいないでしょう。

ウチに来られる患者さんに関してのみ言えば
顎関節症を見てくださいという方を除いて、
他の症状で来院される方の80〜90%は
顎関節症になっています。(レベル1〜4のいずれかです)
それだけ自覚症状に乏しい病気です。

最悪、口が開かなくなって食べられなくなる病気と言われますが
そこまでになる人はマレ。
一時的に顎が外れることはありますし、
はずれやすい状態になる事は
ただし、高齢者施設などで「食べにくい」状態の人には
「飲み込めない」という嚥下障害が起こりやすいわけですが、
前回までのお話のように、顎関節症がこれに深く関与します。

早ければ中学生・高校生ごろには発症する顎関節症が、
社会人になっても、中年になっても、
困っていると自覚することもない状態で存続するけど
高齢者となっても元気なうちは問題にならず、
施設介護が必要になる頃に命がけの困ったことになる
から注意してね!
と言っても何時なら真剣に「何とかしなければ」と思えるでしょう?

まるで関東大震災が起こるから準備しておきましょう
と言うのと同レベルというと言いすぎかもしれませんが、
いつか苦労するから今のうちから気を付けて、
に常日頃から意識を向けられる人なんて
そんなにいないのではないでしょうか。

もっとも顎関節症の症状には
唾液が出にくくなることで感染症にかかりやすくなる
も含まれます。
今で言えば新型コロナやインフルエンザ、風邪もですが
虫歯や歯周病も感染症ですから
悪化しやすくなるでしょう。
圧力による炎症も悪化するため
全身の免疫力も低下します。
今起こっている危機も見過ごせないのですが。

話を戻しますが、
寝ているときの歯ぎしりと判断することで、
その歯ぎしりによる歯のすり減りを減らすためのクッション材として
マウスピースを用いることが1つ目の使用法とされています。

確かにそれも正しいですし、ウチでもそれを理由に作ることはあります。
ただし寝ているときの歯ぎしりによる歯のすり減りだけであれば、です。

猫背・奥噛み・くいしばりの場合
より強く噛む癖がついてしまい、逆効果になる事もしばしば。
なのでおすすめしない患者さんの方が多いわけです。

2つ目の使用法として、すり減った歯に対して
すり減った分の補償をするために行うパターン。
これは顎関節症状態がレベル4になってしまった人にとって
有効なこともあれば無効なこともあります。

レベル4は関節の骨まですり減った状態です。
まっすぐに挙上する必要があるもの、少し前に出した方が良いもの、
少し奥に引っ込めた方が良いものなど様々ありますので、
マウスピース(スプリント)を作ったうえで、
噛み合わせ位置や角度を補正する調整が必要になります。

ただくいしばりが強い人ほど、慣れ親しんだ心地よい位置(姿勢)が
そもそもの悪くした原因であるから、
そうならないように矯正する治療法です。
そのため意地でも装置を壊してまで
自分の心地よい悪いポジションに戻そうとします。
ときには歯が痛い、不快だから装着していられないなどと
訴えてこられる方も多い。

なのでくいしばりに関わる行動変容療法の効果が表れない人には
お勧めしにくい治療法と言えます。

入れ歯と同じで、自分で「入れない」ことを選択できる治療法ですので
常に悪化させる状態は継続しやすくなります。

逆に入れていても、
身体が無意識化で「心地よい悪い位置」を求めていれば
装置で止められていることに反発した、もっと強い力を発揮し
その悪い方向へと誘導する筋肉を鍛え上げてしまうことで
より悪くなりやすい状況にもなります。
(まるでダンベルのようにその運動方向の筋肉を鍛えちゃダメです。
ストレッチするように緩める事が重要ですから)

またちょっと話がズレますが、
口腔内が汚いままでマウスピースをすると
汚染状態を維持しやすくなります。
虫歯や歯周病を悪化させることにもなります。
だからちゃんとケアできる人になってから
マウスピースは使ってほしいというお願いもあります。

デメリットをメインにお話ししましたが
マウスピース(スプリント療法)が良くないというわけではありません。

歯をこれ以上すり減らなくさせる。
アゴの本来あるべきポジションに正す。
という意味においてはかなり役立つ治療法です。
ただし、それさえ入れればOKというものではないことを
ちゃんと知ったうえで、またそれを入れておけない時にも
正しく治そうとする習慣が身につくことで、
相乗効果としての「治療法」として優れた効果を発揮できます。

ということで適材適所に用いる事こそ重要。
ウチでマウスピースをお勧めできる人が少ない理由は、
まだ悪化させる習慣の残る方のほうが多いからということです。

ホントにタイミングを間違えば悪化させますから、
近年ではお湯で温めればできるという市販のマウスピースもあり
適合がそんなに良くなくても、また噛む位置が曲がっていても
お構いなしだったりします。
自己判断で実践されている方がいれば、ご注意ください。

どんな治療であっても、そこに至る過程が重要です。
似た様なことを行えば治るわけじゃないですから。
以前も書きましたが
本人は右のせいと思っていても、
実際は左を治すと右の症状も治ったなんてこともざらにありますので。

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さて、飛び飛びになりましたが全5回シリーズとなりました
顎関節症に関する私が行った講演内容をお送りしました。
ぎゅっと詰め込まれているとはいえ、話すと1時間にも満たない話です。
とはいえ、あっちこっちとリンクが張られているようなものですから
超濃すぎたでしょう。
入れ歯に絡めたお話やインプラントとの関係、矯正治療との関わりなど
もっと掘り下げることもできるのですが、ぽかーんとされる講演を
するわけにもいきませんので、伝えておかなければならない要点
だけをまとめたわけですが、それでも難しいですよね。
お付き合いいただきありがとうございます。

ところで時代はコロナ蔓延の脅威にさらされています。
以前ニュースで歯科医師は救急救命医より感染リスクが高いと
報道されていました。しかし、いまだに感染者の中の歯科医師は
非常に少ない状態で維持されています。
普段から口内環境に気を付けていることが、
コロナ感染リスクを下げる要因になる
と言える実例ではないでしょうか?

手足口病患者も手洗いなどを増やしたことで
例年より患者数が減少したという報道もありました。
感染に対抗するのは清潔であることが強いわけです。

手洗い・うがい・マスク。
歯磨き。
よく食べてよく寝る事。
ぜひ皆様も良く実行して、この窮地を乗り切ってください。

はっきりいって当たり前の感染対策しかやれることはありません。
よく免疫を高めることが大事と言っていますが、
免疫は弱らせないことが大事なんです。
それは免疫を消費してしまうことを体内から取り去る事。
最近書きました歯ぐきの腫れなどもその一環。

ちなみに免疫が高まりすぎるとどうなるでしょう?
もっとも分かりやすいのはアレルギー反応が起こる!です。
ワクチンも定着せず、抗原が入ると過剰反応を起こし
場合によっては命にかかわる。
アナフィラキシーショックなどをイメージすれば分かりやすいでしょうか。

過ぎたるは及ばざるがごとし。
何事も中庸たれ。
清潔に保ちつつ、弱らないための身体づくりを。
・・・顎関節症にならない為の注意と一緒でしょ。
大部分の病気は何とかなります。
100歳以上のコロナ回復者が世界的に多いというニュースもありましたね。
年齢は関係ない・・・というとエセコーディネーターのような
揚げ足取りのコメントが炸裂するでしょうか?
ただ、誰もがかかりにくい体、回復しやすい体にはなれるはずです。
偏った情報だけにとらわれず、全身を元気に乗り越えてね。


カラフルあっぷるいーと3.JPG








posted by あっぷるいーと いんちょう at 16:45| Comment(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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