2014年05月29日

シリーズG・歯を守る・エルゴノミクス活用で食いしばり予防をしよう

だいぶ新シリーズを書き始めてから時間がかかりましたので、
ちょっと変わった切り口で、最後の歯を失う要因である
「外傷」を書き足しておきましょう。


人間工学・・・
アメリカでは、ヒューマンファクター
ヨーロッパでは、エルゴノミクスといわれます。

人間が可能な限り自然な動きや状態で使えるように
物や環境を設計する学問であり、
事故やミスの発生を
限りなく少なくさせるための研究でもあります。


ここ数年で、この「エルゴノミクス」という文字を
目にしたことがある方はどれぐらいいるでしょうか?

家電量販店のPCコーナーの端っこ。
キーボードやマウスのコーナーで見かけることがあります。
「腱鞘炎対策に!」という一文が付属されて・・・。

腱鞘炎も炎症の一種です。
炎症は繰り返すほどに
健全組織を変形させ続けてしまうことがあります。
手や手首の変形などは、この結果で起こることも多い。

そしてその原因が、
人工物(キーボードやマウス)の形状にあるのだから
いかに負担をかけなくて済むかを研究するのも大切になってきます。


食いしばり、歯ぎしり、ドライマウス。
これらが疑わしく、かつ、
仕事やプライベートで、PCと向かい合う時間が長い人ほど、
ぜひこういうグッズに取り替えてください。

特にマウスは是非!


座っている時、特に女性は、
太ももの上で手を重ねる姿勢にすると行儀良く見えます。

本来なら背筋を伸ばしアゴを引くような、
全身の筋肉を正しく引き締めて座るものですが、
近年では、全身の筋肉が弛緩したままで、
「名残として」手を前で組む格好だけが
残っているようなものでしょう。

・・・これが猫背になりやすい姿勢であり、
この半端に行儀良い姿勢が癖になっている人ほど、
食いしばり傾向にあります。

全身の筋肉が弛緩し、手のひらを下にして前で組む、
だから肩が前方に引っ張られ、背中が丸まり、
下アゴが前に出て、食いしばっているのだろうな・・・
という患者さんを多く見ています。

人体の構造上、
立っている時は・・・手のひらが前。
座っている時は・・・手のひらが上。
であることが自然です。

身体の中央で、手のひらが下に向かっている座り姿勢は、
肩も前方に入り込み、猫背になりやすくなります。
ましてや、前傾姿勢で仕事をするほどに、
背筋を伸ばそうとはしなくなるでしょう。

ピアノやキーボード(楽器もパソコンも)も同じ脅威があります。
特にパソコンのブラインドタッチができる人はなおさらでしょう。
(ただピアノの場合は88鍵ぶんの横幅があり
 高音低音を弾き分けることが多い分、
 胸を張って弾くことも多いので、パソコンよりはマシですが、
 やはりプロを目指している人などは練習時間が多いぶん
 リスクは増えてしまっています。)

私のように基本2本指でしかキーボードを打てない人に比べ、
ブラインドタッチできる方は、手首が内側に入り込みますし、
そのサイズ的に左右の手が近づきすぎてます。
 
そこでエルゴノミクスのPCキーボード。
ハの字に開いた形で手首を傷めにくくする。
・・・もっとも、
肩や肩甲骨の位置を気にしてくれていなければ
手のひらが下に向かうので、姿勢は崩れやすいから注意ですが、
一般的なキーボードよりはぜんぜんおすすめです。


ただ、ウチに来られた患者さんに聞いてみると、
大半の方が「マウス」を持ちっぱなしにしているといいます。
こっちのほうが姿勢を悪化させやすいのではないだろうか?
というのが私の見解。

特にマウスは右手だけで使うことがほとんどでしょうから、
左右バランスも崩れやすい。

そういう対策ほど大切なんです。
ジョグステッィクのような形をしたもの、
ペン型・指につけるもの、、、
様々な特異形態をしたマウスが売っています。
ぜひ変えることをおすすめします。

手のひらは、下より横、横より上、のほうが姿勢を崩さない!

とはいえ安ければ1000円ほどで買えるマウスが、
4000〜6000円台ほどしてしまうし、
会社の備品だから取り替えるのも困難という人も多い。

長くその仕事をされるのであれば、
職業病ともいうべき、食いしばりによる噛み合わせの変化が
様々な悪行をしてしまうのですが・・・。

そういう方は、
・こまめにマウスから手を離す。
・マウス常設位置を変える。
・マウス操作位置を変える。
など、今日からでもできることを
工夫してもらうことからはじめましょうね。


単純な食いしばりだけでなく、
歪な姿勢で食いしばる事も、
咬合性外傷の原因となります。

噛むことで発生する外傷だから、「咬合性外傷」。
逆に、そのような外傷の原因となる噛み合わせを
「外傷性咬合」といいます。

もともと10代で綺麗な歯並びをしていたとしても、
自分では認識していない悪い癖で、
歪に歯が削れ、(外傷性咬合)
その状態で噛むことでもっと悪化させる(咬合性外傷)。
・・・そんな人も結構いるので、気をつけましょう。

もっともほとんどの人が自覚もないことですけど・・・

悪い姿勢から、崩れた噛み合わせへ・・・
そんな悪循環が続く限り、歯のトラブルは起き続けます。
悪癖を自覚できたとしても、長い習慣であるほど
簡単には治せません。
道具を活用することで、間違った習慣を治せるなら
ぜひそういう工夫を考えてみてください。


カラフルあっぷるいーと3.JPG



posted by あっぷるいーと いんちょう at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 全身に関わる歯科の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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