2014年01月28日

シリーズ・歯を守る・C失った歯から知ろう

新年が明けて早いもので1ヶ月が経とうとしています。
半端になってしまった、シリーズモノを
さっさと完結させなければいけないのですが、
なかなか書き上げれない状況が続き、
皆様に忘れられてるかも?とも思うので、
ちょっと話の展開を変えてみようと思います。

まずはこの写真を見てください。
ちょっと分かりにくいんですが、
変な事に気付くでしょうか?
見てほしいのは歯の無いところ。

20131122_17113-2.jpg

入れ歯を入れるためのアゴの骨の隆起。
左右で大きさが違うんです。

型とその模型で、骨の幅に線を書いてみました。

20131118_190841-3.jpg


もともとこの線の幅は、歯根が埋まっていた骨の部分です。
ですから本来なら、歯根の「長さや幅」以上に骨があるはずでした。

そこで質問です。
同じ人なのに、なぜこんなにも左右差があるのでしょう?
(ちなみに、向かって右の骨がないほうが、左の骨です。)

例えば、こんなことが考えられます。

@
左の骨のないほうが30年前に抜いたところで、
右の骨のあるほうが5年前に抜いたところ。
時間の経過が長い分、骨がなくなってしまうこともあります。

@−1
たとえば
その25年の間に、歯がある右側で噛めるから・・・と
入れ歯を入れなかった場合。

宇宙飛行士が宇宙に行くと、無重力の環境のため、
骨がスカスカになってしまう、という話は知っていますか?
以前、このブログで書いた気もしますが、
適度の圧力がかかることで骨密度が保たれます。
入れ歯を入れてなかったという状況は、
圧力がかからないということなので、
使わないものは退化する原則のとおり、
骨が退化し小さくなっていった、という可能性が高いでしょう。

@−2
もしその25年間に、合わない入れ歯を入れていた場合、
噛むたびにズレ、骨を痛め続けた結果、骨が小さくなった
という可能性もあります。
ただ、「合わない」とは、最初からのものだけでなく、
徐々に変化して起こるものも含みます。
保険の入れ歯はプラスチック製です。
噛む圧力で徐々にいくらでも削れてしまい、高さが合わなくなります。
それでも噛み慣れているからと、そのままにされてしまうことも、
合わない入れ歯を入れていた、に該当します。
磨り減り具合に応じて定期的に作り変えなければいけないのですが、
結構そのままにされてしまうことも多くなってしまいます。
噛み慣れている イコール 合っている ではないんです。

ちなみに横道にそれますが、入れ歯の場合、
現在の変形したアゴにとって馴染みやすいものをつくったか、
本来あるべき状態に矯正するために、
すぐには馴染めないものをつくったか、
という目的の違いにおいてもその意味合いが変わってきます。
(いずれ場を改めて書くと思いますのでその時に)


A
歯があるうちに骨が減る原因となる場合・・・
虫歯や歯周病による悪化や、過度すぎる噛む力によって、
骨を破壊しまくった結果ということもあるでしょう。

歯があった時代に悪化させ、でも痛みがないしグラグラしても放置した。
そういう人も多くいます。
もともと歯があった状態の時から骨がなくなってしまえば、
回復することはまずありません。

このシリーズは歯を守ることをメインに語っています。
だからグラグラの歯でも守れるものならば、
残すような治療を選択したいということをメインで語っています。

しかし、そのためには炎症の原因となる
感染や、過剰な噛む力をコントロールできる場合に限られます。
またそれらをコントロールすれば回復する力が備わっている人に限ります。

今後も悪化しかしないとわかっている歯を
無理やり数年残存させることはできます。
しかしその結果は、この写真のように骨がなくなる。

部分的ならまだしも、総入れ歯となったときが大変です。
そうなれば、入れ歯は安定しにくく、
インプラントという選択肢も不可能、
身体のことを考えた噛み合わせを作り出すことも至難になるため、
ないよりはマシか?というものができるかどうかというレベルに
なってしまうことにも繋がります。
(もっとも100にはできなくても、
 60以上のものを目指した治療は行うのですが、詳細はまた別件で)

そうならないための転ばぬ先の杖。
(本当はおしゃれ杖のような短いものは
姿勢を崩し、噛み合わせが狂うのでおすすめしませんが、
そういうコトワザがあるのだから仕方がないですね。)

ぜひ読んでいる方の全員が意識してみてください。

日常生活で無意識に起こる食いしばり。
はっきりいって、ほとんどの人にあります。
筋肉に力を込めて噛んでいる状態だけじゃないんです。
上下の歯が触れ合っていることも食いしばりです。

考えてみてください。
上下の歯が触れ合っているということは、
口を閉じるという筋肉をフル活用した最終形態です。
それ以上に筋肉に力を込めようと、込めなかろうと、
それは食いしばっている状態とイコールでしょ。

その状態は、細菌が繁殖しやすく、常に圧力がかかり、
歯へのダメージは計り知れません。

治療でそれをどうにかするというのであれば、
脳内にチップを埋め込み完全コントロールするという
SFチックなものになるか、
口の筋肉が閉じないように筋肉を麻痺させる注射を打つか、
ということにでもなるでしょうか。
どちらも現実的ではありませんけど。

基本的にこれは癖です。
だからこそ、意識改革してくれることが最も効果があります。

しかしこれは癖です。
常に意識するという決意がなければ、すぐに元の木阿弥。
治療してても難しい人はいます。
そういう人に対して、
治療で対処できるのはその癖による悪化スピードを
遅らせることぐらいまで、といっても良いでしょう。

こういう喩えで考えてみてください。
初期の癌は手術で除去できる。
でも、癌になるまでと同じ生活をしていたら
また別の癌ができる。
ストレスなのか生活環境なのか、
リスクとなるものを低減できなければ、
癌ができる確率は同じだけあるということです。
ましてや一度できてしまった人であるならば、
同じリスクにさらされ続けていれば、
同じようにまたできる可能性が高いわけです。

そのリスクを減らすことは、
なぜを知り、そのリスクが日常にあることに気付き、
減らすようにする意識を持ち続けること、
がもっとも大事で、もっとも難しい。

歯があるうちにどうだったか?
それが歯がなくなってからの選択の幅に関わってしまう。
それだけは理解しておきましょうね。

ちなみに、猫背の話や、棒を使ったストレッチの話。
以前書いたブログですが、
この食いしばりの話に大きく関わってくるんです。

B
そのほかにも、
骨粗しょう症などの病気がある可能性、
事故などの結果の骨折の既往、
無理な抜歯を受けた過去がある、
などいろいろな原因があるのですが、
全ては予想の範囲。

患者さんとの対話や、レントゲン写真であたりをつけていきます。
だって、歯が抜けた原因がそのまま、
入れ歯の安定性や作る方向性の範囲を狭めることになるのですから。

ということで、この方の場合のお話を続けて次回に語ってみましょう。


カラフルあっぷるいーと3.JPG







posted by あっぷるいーと いんちょう at 01:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯・噛み合わせの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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