2013年10月31日

シリーズ・歯を残すには・B歯髄を残す

シリーズ開始前。
コオロギの話をしました。

コオロギが可哀想だからと、
キュウリや梨をあげると、
コバエもたかってきます。

コバエを殺そうと殺虫剤をまけば、
コオロギも死んでしまいます。

コオロギを生かすためには
コバエを黙認するしかない。
・・・ホンネはちょっと困っています。

感染の対策には、そんな治療もあるんです。


前回のブログで抜いた歯の写真を載せました。
歯の神経(歯髄)を取ると
歯根の色が経年的に変わってきます。
それで物性変化があるともいえないようですが
やはり、何かしらの変化・影響があるのでは?
と考えちゃいます。

歯髄(神経)を取ったからといって、
歯の維持や機能的には
そんなに変わりがないといわれますが・・・

本来なら痛みを伴うことの多い急性虫歯
になっても、神経がなければ感じませんので、
おもいっきり悪化しても気付かないことも。

歯は硬いばかりではなく、
神経や血管の多い歯髄があることで、
適度の衝撃吸収性・弾性力も持っている
と考えられます。
食いしばりや歯ぎしり、
飴玉バリボリと噛んでも耐えている歯に
役立っている可能性もあると思われます。

もともと、
歯髄(神経)があることで歯が作られてきます。
歯の成長が完了しても、その中に残っている
ということは、生体として残しておく
必要があるからでしょう。

なので、歯髄を取らないで済むなら
取らないほうがいいと考えます。

ただし、神経を残すには、
骨に感染がないことが絶対条件です。

このレントゲンを見てください。
2人目の人になります。

2.jpg

神経に届いていそうな虫歯です。
ただ、
歯根の先端に炎症所見は
かろうじて見られません。

実際の歯はこんな感じ。

1.jpg

歯を削っていくと、
全く痛みを感じない・・・・
ギリギリ神経近くに達すると・・・「痛い」。

絶対、虫歯の感染部位は除去しなければなりません。
しかし、
虫歯を完全除去すると神経に達してしまうものがあります。

こういう状態の場合、治療法は2種類に分かれます。
神経を取るか・神経を残すか。

今回は神経を残す方法を語りましょう。
ただし、これは賛否両論ある話。
必ずしも助けられるとは限りません。

それは、虫歯を削り残す方法です。

3.JPG

ギリギリまで虫歯を削り取る。
これ以上削ったら神経に達するというギリギリまでとる。
残った細菌感染部分に、化学的・光学的な処理を施す。
特殊なレジンで埋める。
その後、経過を見てしかるべき歯冠修復を施す。
というもの。
保険・自費治療のどちらもあり、
施す処置が異なります。

もしその処理をした後でも、
痛みを感じるなどの症状がみられれば、
神経を取る、抜髄治療に移行します。

これはある意味、賭けです。
けれども、
 細菌力 <<< 免疫力+科学力
という構図になれれば、神経を救うことが出来ます。

神経をとらなければならない状態を、
未来に先送り出来れば、
それだけ歯が長持ちできる可能性が高まる
ということです。


その治療が出来る条件をお話しましょう。

 @ 神経が生きていること。
死んだ神経は感染源でしかありません。
削る痛みを感じる歯であることが条件です。
ギリギリを知る手だては痛みの感覚しかありません。
また、化学物質の反応で症状がでないかも
確認する必要があります。
そのため、麻酔はかけられません。

 A 炎症所見がない、軽いこと。
レントゲンの炎症所見や
冷水痛・空気でしみるなどの症状が、
ないか、一次的なものであること。
強い痛みが続くものは対象外。

 B 衛生的な口内環境を維持する意思のある人。
今後、あきらかに悪化するであろう人に、
行ってよい治療ではありません。

 C 免疫力のある人
残存細菌よりも身体の免疫力が勝ることが絶対条件。
生体バランスの悪い状態ではむずかしい。

 D くいしばりや歯ぎしりなどの過重負担がないこと。
コントロールできればよいのですが、
力による局所の炎症は、ダメージが大きすぎます。

 E 細菌の種類
これは電子顕微鏡などを使わなければできない話ですが、
虫歯菌は、大別すると2種類います。
浅い虫歯は、酸素がなければ死んでしまう菌。
深い虫歯は、酸素がほとんどいなくても生きていられる菌。
虫歯が深くなり、神経に達するころに
細菌叢(繁殖している所の状態)が変化します。
深い虫歯の細菌が多いと、
この処置で死滅しないこともあります。

その他、細かい条件がいくつかあります。
そして実際に、それがクリアできているからと思っても、
痛くなってしまうことも多々あります。
成功して、10年以上、状態変化もなく安定している
歯もあります。

やってみなければわからない治療、
誰にでも出来る治療ではない、
ので、おすすめするつもりはないのですが、
私の場合は、ワンステップ置いて、
残せる可能性が残っていないか試すことが多いです。

さっさと見限って、神経を取っちゃうほうが
患者さんも楽か?
と、考えることもあるのですが、
どーしても、永く歯を残したいなぁという思いが・・・。


フランスを本部とする世界中
多くの国の歯科が加盟する
FDI・国際歯科連盟という団体があります。
そこでは、できるだけ歯を残せるように、
MI(できるだけ小さな虫歯治療をしよう)
という概念を推奨しています。

・・・ちょっと細かな話になるので、
いずれちゃんと書こうとは思うのですが、
その概念の中に「歯髄保護」という考えは
含まれていないんです。

そのため、このような治療に適した材料
というものも開発が遅れていて、
やっとここ2〜3年で、
それに適した材料もでき始めてきました。

そのため、
昔よりは残せる可能性も高まってきたわけです。


歯の神経(歯髄)が悪化したらどうなるか(前回)
歯の神経(歯髄)が汚染されているかもなら(今回)
と、細菌感染の悪化状態に応じた
歯を残すための治療の一例を述べてきましたが、
歯の神経(歯髄)まで達していない虫歯も、
放置していいはずはありません。
そこから歯が欠け、
歯髄があらわになる事もあります。

虫歯や歯周病ではない感染として多いのが、
過重負担がかかりすぎたことでできる
クラック(歯のヒビ)からの
歯髄感染です。

ちなみに、感染とは関係なくおこる歯髄症状もあります。
知覚過敏などもそこに含めてもいいでしょう。

歯髄症状(痛いとか凍みるとか)の原因は単純とは限らない。
だからこそ、歯髄を残すためには、
口腔内のあらゆるバランスを整えることから
把握する必要もあるのです。


PS.
落ちてきた枯葉もコオロギには良い布団。
だからベランダ掃除もできん!
なんだかんだで快適生活を満喫しているのでしょう。

そのためか、台風26号の脅威にも耐え、
周囲からのコオロギの鳴く声は減ってきたというのに
元気に鳴く鳴く。
失われたかもしれない寿命を、
同等・それ以上の維持をさせるには、
完全看護以上の、
そのモノ+周囲環境を整えることが大切です。



カラフルあっぷるいーと3.JPG







posted by あっぷるいーと いんちょう at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯・虫歯に類する話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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