2013年09月24日

外傷歯の種類と注意点(簡易版)

先日、無事に休日応急診療当番を終えました。

AM 9:00 〜 PM 5:00まで、
お昼休みもとらずに対応できるように
ということだったので、
隙を見てコンビニ弁当で・・・。

結構、地味に大変なんですよ。

基本的に急患ばかりの連絡を受けるため、
ウチの所在地も知らないし、
どんな所かの予備知識もない人が駆け込んで来ます。

他所を受診中の人の場合は、
そこのクリニックがどうするつもりかを想像して
どんな緊急対応をすべきか
導き出さなければなりません。

ちゃんと治療しちゃいたくても、
ウチで継続治療できる方ばかりではないですからねぇ。

そんな今年は、外傷歯が多かったです。

ぶつけて折れるのは、上の前歯。ど真ん中の2本。

ちなみに、
折れたり欠けたりするのは、破折歯(はせつし)。
根っこから抜け落ちるのは、脱臼歯(だっきゅうし)。
と言い、もう少し細かく分類されます。


破折歯の場合、怖いのは2つ。
歯の神経(歯髄)が見えてしまっているものと、
歯根まで割れてしまっているもの。

基本的に、症状の鎮静化が見られれば、
神経の保存療法をメインに治療します。
その後10日ほど経過を見て、
問題なければそのままか、見た目の修復を。
痛みや歯の黒色変化(神経が死んでしまったもの)が
あれば、神経を取る治療が必要になるでしょう。

ちなみに、欠けた所をそのまま接着剤で繋いでも、
神経が点状にでも見えてしまっていた場合は、
歯の色が別モノになってしまうことも多々あります。
欠けた部分が変色してしまうからです。

また、大きな欠けに目を奪われていると、
小さなヒビを見逃してしまいます。
気付かないようなヒビから、細菌が入って
症状が出てくることもあるため、
大きめに処置しておくこともあります。


脱臼歯の場合、困ってしまうのは乾燥と洗浄。
歯根と歯槽骨をつなぐ歯根膜という線維は、
ゴシゴシ洗われちゃうと
剥がれ落ちたり、死んでしまいます。
逆にティッシュでくるまれたりして乾燥しても
30分で死んでしまいます。

最近では「歯の保存液」も売っていますが
使用期限は2年間程度だし、それなりに高価なので、
学校の保健の先生も、
数を用意するのは大変だと言います。
ましてや一般家庭にあることもないでしょう。
歯科クリニックでも用意してあるところは
ほとんどないでしょう。
(その前に再植するでしょうしね。)

薬局にある「生理食塩水」が理想ですが、
牛乳でもいいし、
口の中に入れて、ツバで潤し、
(ベロの下などで飲みこまないように)
早めに来院しましょう。

戻せるものは、
再植(もう一回、骨の中に埋め込む)治療をします。
他に固定できる歯がある場合や、
戻せる歯根の形をしている場合に限ります。

ときに、
インプラントを植える手順で、
歯槽骨の形態を修正したり、
歯根嚢胞摘出術の応用で、
歯根の形態や処理を施すことも
必要になる場合がありますが、
戻せる可能性があるなら、
戻すことを第一選択にします。


どちらにせよ、本来なら経過を見たい。
・・・緊急対応のみのデメリットです。
どちらの場合も、1週間〜10日後程度に1回。
3カ月程度で1回。1年後に1回。
計3回ほどレントゲンを含めた様子を確認して、
OKサインを出したいというのが本音ですから。


ちなみに、どちらの場合も、
噛み合わせは確認します。

食いしばり・歯ぎしり・顎関節症という
過度な力が、修復した歯にかかれば、
回復力よりもはるかに強いダメージが起こります。
これが悪いと、どんなに処置が完璧でも、
結果はNGということが起こりやすいですから。


そして一番大事なのは、患者さんの回復力。
歯の再石灰化が起こりやすいか、
(ドライマウスなどがあると起こりにくい)
結合力はあるか、
(骨粗しょう症や栄養不足、口腔内不衛生だと無理)
など、口内環境のバランスがとれているかが大事。
本来ならそこから維持する治療を
何回か行いたいところです。


外傷歯で駆け込んでくるのは10代がほとんど。
交通事故などの場合は、救急車が呼ばれるでしょうから
歯科よりも医科に行きますしね。

元気もいいけど気をつけましょう。
そして、一刻も早く歯科医院へ。
・・・緊急の方が多い時は、
待ち時間がかかることもあります。

たった1日で外傷歯は3人いましたし、
そこにある危機として、
皆さんもココロしておくことをおすすめします。



カラフルあっぷるいーと3.JPG





posted by あっぷるいーと いんちょう at 01:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 歯・噛み合わせの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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