2011年09月25日

マッキーの名曲と歯を残す基準

槇原敬之さんの「もう恋なんてしない」という曲をご存じだろうか?

情けない失恋男を歌い上げている感のある曲だろう。
基本的に好きな歌詞ではないので、カラオケで歌うことがあるとすれば、
失恋の痛手を負った親友を、さらに追い込むため(はげますため?)にワザと選曲したり、
逆の場合に仕返しされたりする時だけだろう。

この曲を買ったことはないのだが、当時よく流れていたので、歌うことはできる。

俳優・柴田恭兵さん主演のドラマ『子供が寝た後で』(92年)の主題歌でもあった。
私はこの頃、アブデカ以来の恭様ファンであったため、リアルタイムでドラマを見ている。
余談だがCSにて現在、再放送しているようだ。(ウチのテレビでは見れないのだが。)

そのせいか、1番の歌詞くらいは頭にこびりついているわけで…



以前、歯の神経を取らないでほしいという患者さんを治療した時のことである。


基本的に私の治療は、「残す」治療を多く選択する。
他所では抜かれてしまうような歯でも、
『 残す意味 』があり、『 残すメリット 』があり、『 残せる条件 』がある、
と考えれば、かなり保存が難しい歯でも、残す方向で治療を考える。

歯の神経も同じで、残すために奮闘することが多い。

そんな私が「残せないかもしれない」と患者さんにお伝えする時は、
本当に手遅れ状態なのだ。
「それでも2〜3割くらいの人は残せることもあるから、残す方法を試してみますか?」
という意味を含んでいる。

中には「取るしかありません」とお伝えしなければならないこともある。
本当に手のほどこしようがない状態なのだ。
死んだものを生き返らせることはできない。
回復させるだけの条件が一切ない状態なのだ。

私の医療は、『 少しでもいい状態で未来につなぐこと 』を目的としている。

医療の進歩はまだまだ進んでいる。
現代では打つ手がないかもしれないが、
数年後の未来には何かいい方法が作られるかもしれない。
そのために今、出来るだけコンディションを整えたい。

残す意味もなく、メリットもなく、最悪な条件でも、
放置すれば多少は残存していられるかもしれない。
しかし、歯の病気の多くは『 感染 』である。

当然、他の良い状態の歯にまで、放置された歯で繁殖し続けた細菌は浸食する。

みすみす悪化の一途をたどることを望まれる人はいないだろう?
だから必要だと判断すれば「抜く」事を選択する。


この患者さんも、「抜いたほうがいい」方だった。
ただ、若かった。
「できるだけ歯の神経を取らない方法で、この歯を未来につなげたい」という思いと、
「条件的には、確実に神経を取らなければならない状態である」という現実。

若いということは、身体の細胞も元気であるということだ。
うまくいけば生体防御反応が、進行を食い止めてくれるかもしれない
という期待もあった。

患者さん自身も「神経を取らない方法が良い」という希望が強かったこともあり、
残す方法で様子を見てみようということにした。

残す治療も、3重の仕掛けをしてみた。
ここまでしても、痛みが出るようなら、抜くしかない…
徹底的に対応策を練った治療を施したわけである。

当然、治療直後は痛みもなく、噛んでも違和感なく、最良の状態だった。

私としても期待していたのだが…


1ヶ月経った、つい先日。
「痛くなった」というSOSコールが。
それでも3日は我慢したらしい。
痛みがひかず、泣く泣くのSOS。

休診日ではあったが、当然ひきうけた。


休診日のため、治療の準備から自分一人で行う。

・・・・・!!

そこで頭の中に槇原敬之さんの「もう恋なんてしない」が流れてきたのだ。

  君がいないとなんにも出来ないわけじゃないと、
    ヤカンを火にかけたけど紅茶のありかがわからない

いつも準備はスタッフ任せにしていたわけで。
あの器具はどこだ? あの薬はどこだ? 

ホントにこの曲の歌詞に出てくる、私の嫌いなタイプの「失恋男」と同じジャン!

開業直後は私のほうが詳しかったのに、今ではスタッフに負けてる。
そう感じる瞬間でした。


結局この患者さんも神経を抜く結果となってしまい、
私としても残念でしょうがないときに、追い打ちをかけるかのように、
治療後にパソコンで入力したカルテから自動で計算される会計の領収書をお渡しする時も、
まったく別のものをプリントアウトしてしまい、やり直し。


たった9カ月で、ここまでできなくなるのか!
(もちろんその場で器具の場所を把握したり、パソコンのやり直しは完璧にこなせたけれど、
スムーズじゃなかったことに、愕然とした思いを感じたわけで・・・)


そんなオチのお話でした。


PS
最初の文章を読んで、私の失恋話を期待した人はいるでしょうか?
残念でした。
たまにはトリッキーな構成でお届けします。
目くじらを立てることなく、楽しんでください。


そして、できるだけ「歯の神経(歯髄)や歯そのもの」を抜かなくても済むような段階で
歯科医院に行くようにしましょうね。



カラフルあっぷるいーと3.JPG


posted by あっぷるいーと いんちょう at 02:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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