2011年08月31日

妊娠7週目から作られる乳歯。

テレビドラマなんかでは
「妊娠3ヶ月目です」
なんて産婦人科医に言われるシーンがありますが、
3ヶ月目ってどんな状態か知っていますか?

現在妊娠中のご家庭などでは、
ネット社会だから調べてみることも多いかもしれませんが、
実際に検索してみても、以外と「歯」のことには触れられていないようなので、
ちょっと今回のブログでご紹介しようと思います。


ヒトの歯って、はえてくる遙か以前から作られ始めます。
妊娠中にはすでに乳歯(子供の歯)だけでなく、
永久歯(大人の歯)の一部も作られ始めているんです。


子供によっては、歯に新産線(しんざんせん)という、
出産時の衝撃を刻み込まれた模様があらわれることがあります。
歯のどの部分が作られているときに、その子が産まれたのかを知ることができるんです。

同様に母体の中にいるとき、
お母さんが受けるダメージ(たとえば急病になったり、事故の被害にあったりなど)の
跡が子供に刻まれてしまうこともあります。

もちろんお母さんの栄養状態も、直接的に子供の乳歯・永久歯に影響を与えてしまいます。


生理不順が長いなって思って産婦人科に行ってみると妊娠しいますと医師に告げられた。
・・・なんてTVドラマではないでしょうが、
妊娠3ヶ月目には、いずれ乳歯や永久歯になるべき「歯の種(歯胚)」が
できている部分があるんです。


個人差はありますが、乳歯・永久歯それぞれの
「作られ始め」と「はえ始め(お口の中に出現し始める)」の時期の
平均目安をお教えしましょう。


ちなみに、はえ始めの時期が1〜2年程度ズレていても問題ありません。
お子さんの成長レベルで下記の目安は前後します。
ただし、お子さんの「同じ歯の左側・右側」で、
生えてくる時期に大幅なズレがある場合は注意が必要です。
早めにレントゲンを撮影して確認すべきですから、
歯科クリニックに通院されることをおすすめします。


作れれ始め時期  その歯   はえ始め時期 
 妊娠7週目   第1乳前歯  生後6ヶ月頃  
 妊娠7週目   第2乳前歯  生後8ヶ月頃
 妊娠7週目   第3乳前歯  生後18ヶ月頃
 妊娠8週目   第1乳臼歯  生後13ヶ月頃
 妊娠10週目  第2乳臼歯  生後22ヶ月頃
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 妊娠3ヶ月目  第1大臼歯  6歳頃
 妊娠5ヶ月目  中切歯    6歳頃
 妊娠5ヶ月目  側切歯    7歳頃
 妊娠5ヶ月目  犬歯     10歳頃
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 出生時0歳   第1小臼歯  10歳頃
 生後7ヶ月目  第2小臼歯  11歳頃 
 生後8ヶ月目  第2大臼歯  12歳頃
 3歳      第3大臼歯  17歳頃


見比べてみると結構「歯」って早くから作られているんだなぁって思いませんか?

必要なものだからこそ早くから作られてくる。
遺伝子に刻み込まれた人間進化の優先順位。
生きていくために必要だから早くから準備している。

人体にとって歯が大切である証でもあるでしょう。

生命体は不必要である機能は退化させ、必要な機能のみを洗練させていく形で、
進化しているようなもの。


この年表にはまだ続きがあります。
永久歯が完成しきるのは、歯が生え始めてから2〜3年後。

歯が生え始めても、まだ歯根部分が作られている途中。
永久歯などは「しっかりとした歯=歯根が完成するまで」に、
作られ始めてから、10年ほどの期間がかかっているんです。


乳歯から永久歯へ、その変化をすべてあわせれば20年かかって作られた「大人の歯」。

織田信長は「人生50年」と舞踊ったとされますが、
人生の2/5は「歯の成長に必要な時期」だったわけです。

現代人の平均寿命を80歳と考えれば、1/4。

虫歯や歯周病で歯を失い、入れ歯やインプラントを作らなければならない平均年齢が60歳頃とすると、健全な歯の恩恵を受けれる期間は、人生の1/2しかないといえるわけです。

もっとも、虫歯や歯周病のリスクを軽減できて、
健康な歯を維持すれば100歳くらいは余裕で保つのが歯なんですが・・・。


ときおり患者さんの中で、
「乳歯は生え変わるのだから虫歯になっても放置して問題ない」と
考えられている方がいますが、これも大間違い!

乳歯が虫歯になると永久歯がはえるスペースが足りなくなっちゃう。
永久歯の歯並びが悪くなる原因なんです。

チャームポイント扱いされる八重歯も、衛生面を考えるとオススメしたくないわけで・・・。

私や歯科医師の友人などは、
仕事中にさんざん八重歯の衛生不良な患者さんを目の当たりにしているため、
チャームポイントとは思えないよねぇ、なんて話をしちゃいます。
細菌の感染源や雑菌の繁殖源って見えちゃう。

ましてや噛み合わせ(咬合)がズレているわけだから、
人体にも少なからず影響があるはずで・・・
(この話は長くなっちゃうのでカツアイしましょう)


親の背中を見て子は育つという言葉通り、
しっかりオーラルケアしているお父さんお母さんの、お子さんの歯ほど健全な場合が多く、
生活習慣病と同じく、家族ごとのトータルケア&意識改善が必要なのかもしれませんね。



ぜひとも女性の皆様には、『 妊娠 』という一大イベントを迎える時に、
お子さんのためにも、ご自身の健康を考えてくれたらなぁって思います。

また出産後も、数年という単位で「治療する時間が取れないお母さん」が多いわけです。
「幼稚園や小学校にあがらないとなかなか・・・」
「2人目・3人目が・・・」
「産休明けたら仕事に復帰しないと・・・」

20歳を境に口内環境は悪化しやすくなるといわれます。
子育て時期はその悪化を加速してしまいがち。

悪化してからの治療じゃ1年かかってしまう人も多い。
早くに治療ができれば数回の治療で終われます。

でも、定期的にケアできれば、半年に1回(30〜45分程度)で
口内環境をリセットすることだってできます。

無理することはありませんが、定期ケアを受診されることはおススメです。



余談ですが、歯が「はえる」って漢字、「生える」って使いがちですが、
正式には「萌える」らしいです。

アキバ系の使う「もぇ〜っ」の漢字「萌」。

もともと草木の新緑が、はえてくる状況を指しての言葉なんだとか。

草木が芽吹くように歯がはえるので、歯がはえるの意味で用いる漢字は
「萌える」で「はえる」というのだそうです。
(大学時代の先生が言っていた言葉なので、裏付け確認をしていません。ので、心配な方はお調べください。)




カラフルあっぷるいーと3.JPG


posted by あっぷるいーと いんちょう at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 女性の歯科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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